三菱地所レジデンス(株)は、賃貸マンション「ザ・パークハビオ」の住戸に導入してきた住空間創出の提案商品「Roomot(ルーモット)」を、同社以外の賃貸マンションの新築、改修を検討しているオーナー等へ販売していく。ルーモットを共同開発してきた住設機器メーカーにルーモットの商標や意匠利用を許諾し、メーカーを通じて外販する。
ルーモットは、同社が2020年から取り組んできた、賃貸マンションの1K住戸における間取りの改善や新たなライフスタイル提案を目的とした住空間創出のための商品。21年6月に発表したキッチンと洗面所を1つにした「MIXINK(ミキシンク)」を皮切りに、シャワーユニットの「Luxwer(ラグジャー)」、バスタブと洗い場をまとめた浴室「BathMor(バスモル)」、収納にデスク機能を付加した「desko(デスコ)」の4商品をリリースし、五反田と亀戸の「ザ・パークハビオ」に導入。複数の物件に導入を予定している。ルーモット各商品を組み合わせ、収納等のレイアウトを最適化することで、居室を数畳拡大することができるという。
「似たような考えの設備はあるが、新たな暮らし方の提案まで踏み込んでいるのは当社のルーモットだけ」(同社建築マネジメント部グループマネージャー・近藤 都氏)ということもあり、発表以来「外販はしていないのか?」「どこで実物が見られるのか」といった同社賃貸マンション以外のオーナーやマンション管理会社からの声が寄せられていた。他社商品との差別化が目的のルーモットだったが、同社の空間創出の取り組みを広く周知させること、販売個数を増やすことによるコストダウンも狙い、外販に踏み切ることにしたもの。
実際の販売は住設メーカー(タカラスタンダード(株)・日ポリ化工(株))が行ない、同社は「ルーモット」の意匠権、商標利用権の利用料を受け取る。販売するのは「ルーモット デスコ」を除く3商品。実際にルーモットが導入された「パークハビオ」住戸や、赤坂にある同社の商品開発拠点「EYE’S PLUS LAB」等を使って、間取りの拡大効果や使い勝手をプレゼンテーションしていく方針。
「EYE’S PLUS LAB」には、実際に25平方メートルのワンルームを再現したモデルを設け、「ルーモットミキシンク」「ルーモットバスモル」を実装。2つの商品導入と廊下・脱衣所・キッチンスペースを兼用するなどスペースの有効活用を組み合わせることで、7.1畳の居室を10.1畳まで拡大している。こうした余剰スペースを生かし、さまざまな間取り提案をすることができ「従来ユーザーが立地と賃料だけで選んでいたワンルームマンションに、『間取りで選ぶ』という新たな選択肢を与えることができた」(近藤氏)という。
販売目標等は特に定めないが、新築賃貸マンションだけでなく、既存マンションの商品力アップのためのリフォームやリノベーション等での活用等へアピールしていく方針。