三菱地所(株)と(株)大林組は29日、CLTの屋外利用における技術確立を目的とした共同研究開発契約を締結したと発表。このほど、長さ3mのCLTを用いた屋外暴露試験に着手した。
木材の屋外活用をめぐっては、太陽光による紫外線や風雨への暴露、気温の変化など、屋内と比べて木材に与える外的要因が多いことから、限定的な普及にとどまっている。また、特殊機械を用いた促進耐候性試験や、小型試験体による屋外暴露試験は行なわれている一方、中大規模建築への実利用を想定した加工や、長時間の暴露試験を実施している事例は少ない。
そこで、今回の大型試験体を用いた研究により、CLTや木材の屋外活用に求められる品質に関わる各塗料の特性、適切なメンテナンス、基材への加工を検証。中大規模建築への国産木材活用の可能性を広げる。
試験は6月17日に開始済み。三菱地所のグループ会社であるMEC Industry(株)(鹿児島県姶良郡)と大林組のグループ会社である(株)サイプレス・スナダヤ(愛媛県西条市)の敷地内に計23本の大型のCLT(縦3.0m×横0.9m×厚み150mm)を長期にわたり設置し、経年変化を定期的にモニタリングする。