(一社)優良スタック住宅推進協議会は29日、アルカディア市ヶ谷(東京都千代田区)で活動状況に関する記者会見を実施。同日行なわれた社員総会で会長に再任した堀内容介氏が報告を行なった。
同協議会は、住宅メーカー10社および関連不動産流通会社が参加。住宅履歴の整備や50年以上の長期点検・補修制度の維持などといった基準をクリアした会社が供給した戸建住宅を「スムストック」と呼称。独自資格である「スムストック住宅販売士」が査定を実施し、仲介・買取再販を行なっている。
2023年度(23年7月~24年6月)のスムストック成約数は2,090件(前年度比11.0%増)となり、08年の同協議会創設以来初めて年間成約2,000件を超えた。会員10社の戸建て建築実績約401万棟の年間流通率を0.3%として年間の推定流通数を1万1,100戸棟と推計して試算すると、会員10社の流通捕捉率は約19%と過去最高となった。累計成約数は1万9,727件と2万件に迫っている。堀内氏は「認知度向上策や、スムストック専用瑕疵保険といったスムストックを選んでいただけるように環境整備を進めた成果。また、捕捉率の上昇は各社が買取再販を推進している影響が大きい」と語った。
平均的な成約物件は、築年数18.8年・延床面積128.71平方メートル・建物成約額は1,149万円(新築価格の約46%)だった。また、3ヵ月以内に約45%、6ヵ月以内に約80%の物件が成約しているという。
なお、23年4月~24年3月における同協議会の安心R住宅の提出数は407件で、うちリフォーム済み(買取再販)が259件、リフォーム提案(仲介)が148件。他団体を含めた安心R戸建て住宅の52.4%を占めている。なお、戸建てのリフォーム提案においては全団体のうち98.6%となった。こうした傾向を受け、同協議会では国土交通省に対して安心R住宅の推進に関する提言を行なったことも明らかにした。
スムストック住宅の査定を行なう営業担当者「スムストック住宅販売士」は8,289人となり、そのうち1,434人が仲介実務者として活動している。
また、長期ビジョンと、24年度を初年度とする新中期3ヵ年計画を策定。長期ビジョンを「良質で、安全・安心な住まいのバトンを引き継ぎ 日本の住宅の資産価値向上に寄与する『いい家は、つづく。』」とした。
中期計画については、対象期間を「本格的なストック時代への転換点」と位置付け、「スムストックの質・量の強化を行なうことで、既存戸建住宅の流通のトップブランドを目指す」(堀内氏)という。取り組みの方向性については、(1)「買取再販も含む既存住宅流通」の推進を強化して早期に捕捉率20%、最終年度の捕捉率25%を目指す、(2)スムストックの安心・安全をさらにレベルアップする、(3)各社・各委員会の中期計画を策定し、横連携による計画遂行体制を構築する、の3点を挙げた。(1)においては認知度向上のさらなる推進や買取再販の強化、(2)では23年度にスタートした「スムストック住宅評価報告書」「売買時の承継に関するガイドライン」の運用促進を図っていく。