野村不動産(株)は12日、コリビング賃貸事業への参入を発表。2025年3月に初弾物件「TOMORE(トモア)品川中延」(東京都品川区、総戸数135戸、以下「品川中延」)の入居を開始すると発表した。
社内起業による第1号案件。従来のシェア型賃貸住宅は居室空間は確保されているもののシャワー、トイレ、洗面台等の生活設備をすべてシェアする形のものが多い。そうした物件との差別化を図り、水回りを含む居室空間を確保しつつ、共用のリビングとコワーキングスペースを備える快適な職住環境を提供していく。
「品川中延」は都営浅草線「中延」駅徒歩1分、東急大井町線「中延」駅徒歩4分等、4駅3路線の利用が可能な立地に開発。敷地面積577.15平方メートル、鉄筋コンクリート造地上11階建て、延床面積2,424.82平方メートル。住戸の専有面積は12.00~15.01平方メートルで、中心面積帯は13.00平方メートル台。
ターゲットを、20~30歳代の社会人単身者で、起業や副業など、本業以外の活動にも関心を持つアクティブワーカー層に設定。専有部には水回り設備としてトイレ、シャワーブース、洗面所を用意した。さらに共用部を通過せずとも部屋に帰宅できる動線の設計を採用し、プライバシーの確保にも配慮している。
共用スペースとして、キッチン、ダイニング、ソファーゾーンで構成する「コリビングスペース」、Wi-Fiを完備し、個室ブースやカウンターゾーンを備えイベント等の開催も可能な「コワーキングスペース」、「屋上ルーフテラス」を設け、コワーキングスペースにはコミュニティ形成を支援する専属のコミュニティオーガナイザーを配置。利用者同士の交流を支援する。
募集賃料は、周辺の1K、ワンルームの相場賃料である10万円台前半(管理費込み)に設定。仲介手数料、敷金、礼金を0円として提供する。8月にホームページでコンセプトを公開して以降、すでにLINEの友達登録数が累計約1,700件に達するなど、多くの反響を得ている。
事業提案者で「TOMORE」事業の責任者である住宅事業本部賃貸・シニア事業部賃貸住宅事業二課長の黒田翔太氏は、「日本では浸透していないコリビングレジデンスだが、海外ではマーケットが拡大している。快適な職住環境は日本でも受け入れられるはず」と述べた。
今後は首都圏を中心に100戸超の規模で供給を推進、中期的には年間5棟ペースで開発していく計画。