
三井ホーム(株)は、2月から一般流通材を活用した木質コンテナ商品「NLTコンテナ」の本格販売を開始。12日には、同社埼玉工場(埼玉県加須市)で試作棟の見学会を開催した。
近年、簡易事務所やロードサイド店舗、宿泊施設など、従来の倉庫以外の用途としてのコンテナ活用が広がっている。カーボンニュートラルや脱炭素を推進する中で、木を使った持続可能性の高いコンテナの需要があるとみて、商品化に踏み切った。
NLTとは、「ネイル・ラミネイテッド・ティンバー」の略称で、一般に流通するツーバイフォー材を並べ、側面を釘打ちして束ねてパネルを形成した板材のこと。JASの認定を受けた工場でのみ製造が認められているCLTに比べ、工場を選ばず製造できるという特徴を持つ。曲面パネルを作りやすいなどのメリットがあるだけでなく、パネル自体が強固な構造体となり、そのまま耐力壁や床として使用できる。
同商品では、床・天井パネル1種類と壁パネル5種類の同一寸法のパネルを組み合わせてユニットを組み立てる。ホールダウン金物やボルト・ナットを使った接合方法を採用し、水平・垂直方向にユニットを重ねることを容易にし、拡張性を高めた。ボルト・ナットの接合によって解体・再利用をしやすくした環境性の高さも訴求する。
埼玉工場に設置した試作棟は、幅6,726mm・奥行2,242mm・高さ2,420mmで、工期は約7日だという。枠組壁工法を採用し、木材使用量は7立方メートル、炭素貯蔵量やCO2換算で約4t(スギ約8本に相当)。参考価格は250万円、なお、基礎や運搬費・設置工事費などを含めると、おおむね500万~800万円程度になるという。
同社では、コンテナホテルの客室や、店舗施設、展示会ブース、仮設現場事務所などの用途での需要を想定。地域産材の活用にもつなげる。「これまでのコンテナなどの簡易建築は鉄を使っていたが、サステナブルな建材である木を活用する商品としてアピールしていきたい」(同社木材建材事業本部施設資材営業部施設営業グループ兼木構造研究所主任・山本 剛氏)。