
東急不動産(株)、(株)東急不動産R&Dセンター、国立大学法人電気通信大学は20日、雪発電の実証実験を実施すると発表した。
北海道虻田郡倶知安町との包括連携協定における「サスティナブルリゾート形成」に向けた取り組みの一環で、2024年度に引き続き実施するもの。
雪発電は、高温熱源と低温熱源の温度差から発電するスターリングエンジンを用いた温度差発電。高温熱源には太陽熱、バイオマス熱など化石燃料に依存しない燃料から得られた熱エネルギーを、低温熱源には雪により冷却された不凍液を熱媒体として利用。不凍液は高温熱源からの熱エネルギーで90度ほどに加熱され、その熱を道路・屋根などに積もった雪と熱交換で放出し、雪を溶かすと同時に雪によって冷却される。このサイクルを繰り返し、発電と広範囲の融雪の両立をできることが雪発電の特徴となっている。実験期間は25年1月9日~2月19日。
24年度は、雪発電により1.0kWだったエンジンの発電能力を7.0kWに拡大。1日に最大で168kWhの電力を発電することができ、冬季の一般家庭の使用電力が1日当たり平均14.2kWhであることから、約12軒分の電力量が供給することができた。今回は新たに、発電施設を設置する建屋の屋根に積もった雪を融雪し、その融雪水を集水するシステムを考案し導入。これにより、人力での雪下ろしを低減・不要とするほか、得られる融雪水を集水・ろ過して活用することで、水不足という地域課題の解決にも寄与できる技術となり得るかを検証する。