不動産ニュース / 開発・分譲

2025/2/26

「区画整理のまちづくり」に高評価/野村不「所沢」

「プラウドシーズン所沢」外観

 野村不動産(株)が2024年9月から販売を開始した建売住宅「プラウドシーズン所沢」(埼玉県所沢市、総戸数120戸)が好調な売れ行きをみせている。約27haに及ぶ区画整理事業による整ったまち並み、西武線沿線随一の「所沢」駅周辺の繁華性、同駅から徒歩10分前後でアクセスできる利便性、ゆとりある敷地と住戸等が評価され、平均価格が8,000万円を超える設定ながら広域からの集客に成功。1期1・2次40戸は最高4倍で全戸完売している。

 同物件は、西武池袋線・新宿線「所沢」駅徒歩9~11分。1980年代から進められてきた「所沢市都市計画事業北秋津・上安松土地区画整理事業」の一環として同社がまちづくりを手掛ける「ToKoKoRo TOWN」内に立地する。同区画整理事業は、施行面積約27ha。地権者102名のほとんどは狭山茶農家。減歩率は44%。構想から40年を経ているが、近年は地権者の代替わりもあり、順調に権利変換とインフラ整備が進んでいた。
 所沢駅東口へと延びるメインストリートの両側を中心に住宅地を整備。また、緑地と公園に2ha強を割き、緑豊かなまち並みを形成している。同社は2017年に事業に参画。同物件のほか、地域密着型商業施設「SOCOLA所沢」(24年4月開業済み)、分譲マンション「プラウドシティ所沢」(総戸数303戸、3月上旬発売予定)を開発。ディベロッパーのノウハウでまちの核を整備することで、まち全体の資産価値向上を図っていく。

 「SOCOLA所沢」の西側、メインストリート沿いに50区画、メインストリートから奥まった東側に70区画の2街区で構成。建物は2×4工法地上2階建て。敷地面積は約101~150平方メートル。建物面積はいずれも100平方メートル超の4LDK。24年7・11月に完成済み。太陽光発電パネル・ハイブリット給湯器を標準としたZEH水準・認定低炭素住宅。リビング天井高は2,500mm。ユニットバスは1620サイズ、食洗器、人造大理石キッチントップなどが標準。100平方メートル超のゆとりを生かし、7割の住戸をリビング吹き抜けとしたほか、1階に水回りを集約したオーソドックスな造りとしているのが特徴。リビングに、スタディルームやホビールームとして活用できる部屋を隣接したプラン等も提案した。

 24年5月からエントリー受付を開始。これまでのエントリー数は1,300件超。8月にモデルハウス案内を開始し、240組が来場している。1期の販売価格は7,100万円台~1億800万円台。契約者は所沢市在住者が36%、隣接市21%、東京都・神奈川県・さいたま市・千葉県など43%と、広域から集客している。ターミナル駅からのフラットアクセス、100平方メートル・4LDKのゆとり、区画整理のまちづくりに評価が集まった。なお、同社の戸建住宅とは別に、組合の保留地販売も進んでいる。

 同社は数十年以上にわたり継続的に区画整理事業による住宅供給に取り組んでおり、24年4月には住宅事業本部戸建事業部に区画整理事業課を設置。組合へのアプローチや事業推進を強化している。今回の「所沢」の東側(上安松・下安松地区)では、22ha超の区画整理事業に参画。千葉県習志野市などでも事業参画を推進中。

モデルハウスのリビング

記事のキーワード 一覧

この記事の用語

土地区画整理事業

市街地を面的に整備するために、土地の区画形質の変更や公共施設の整備を行なう事業の一つで、土地区画整理法に従って実施されるものをいう。 この事業の実施によって、例えば、不整形な土地や袋地が解消され、道路や公園が整備されることとなる。

続きはR.E.wordsへ

動画でチラ見!

第18回 ジバコー 「原点」を語る

ニュースはこちら

新着ムック本のご紹介

ハザードマップ活用 基礎知識

不動産会社が知っておくべき ハザードマップ活用 基礎知識
お客さまへの「安心」「安全」の提供に役立てよう! 900円+税(送料サービス)

2020年8月28日の宅建業法改正に合わせ情報を追加
ご購入はこちら
NEW

月刊不動産流通

月刊不動産流通 月刊誌 2025年5月号
「事故物件」、流通の課題は?
ご購入はこちら

ピックアップ書籍

ムックハザードマップ活用 基礎知識

自然災害に備え、いま必読の一冊!

価格: 990円(税込み・送料サービス)

お知らせ

2025/4/21

「記者の目」を更新しました

有事に立ち向かうエリアマネジメント」を公開しました。

エリアの価値向上に大きく寄与する複合開発。住宅や商業施設、公共施設、教育施設や図書館、クリニックなどが一体的に整備されることで、再開発されたエリア内で日常生活が完結できるような、利便性の高い生活環境が整うケースもありますが、その規模感の大きさから有事の際に全体が連携できるのかといった懸念も…。今回は、オフィスビル・賃貸マンション・分譲マンションの3棟からなる複合開発「MEGURO MARC」を取材。防災対策の本音を調査しました。