不動産ニュース / 団体・グループ

2025/3/17

ZEH・ZEB普及や省エネなど環境政策進める/不動協

2025年度の事業計画を説明する理事長の吉田淳一氏

 (一社)不動産協会は17日、第353回理事会を開催。2025年度の事業計画および予算を決定した。

 事業計画のうち、2050年カーボンニュートラル達成に向けた環境政策においては、ZEH・ZEB水準やより環境性能の高い住宅・建築物の供給への対応として、未評価の省エネ設備・新技術に対する評価反映や、省エネ設備・建材の多様化・普及への働きかけを実施。また、再エネ利用や建築物のライフサイクルカーボン削減へ向けた取り組みを進めるとともに、中高層建築物における木材利用の普及促進を図り、防耐火基準の合理化などに対して活動を進める。

 都市政策では、大都市・地方両輪での都市再生事業の役割を再確認し、骨太の方針や国土強靭化計画などへの位置付けを目指す。同時に、都市再生特別措置法改正の改正に向けた議論を深化し、人口減少時代の都市再生の在り方について検討を進める。併せて、市街地再開発事業の継続支援を要望し、イノベーション施設やエンタメ施設などの多様な都市機能の集積を通じた都市の魅力創出に取り組む。また、交流を促す場づくりやウォーカブルな空間形成、持続可能なエリアマネジメントの仕組みづくりにも注力する。

 住宅政策では、新築マンションの災害に対するレジリエンス向上を図り、免震構造の普及促進や、旧耐震基準の建物に対する耐震診断の義務化拡大、浸水対策への支援に対応する取り組みに着手。加えて、高経年マンションの建て替え促進に向け、形態規制や、建築基準法等の「全員同意」が求められる手続きの柔軟化、隣地所有者や底地権者の参加制度の創設を目指した取り組みを行なうとともに、管理業者管理者方式の適正利用や、予備認定と管理計画認定制度の見直しにも対応する。

 26年度税制改正では、住宅ローン減税をはじめとした住宅取得支援税制、長期保有土地等に係る事業資産の買い換え特例などの重要項目に加え、GX・DX推進やイノベーション創出、経済社会構造の変化に対応した環境・都市・住宅等の政策推進に関わる税制の検討を行ない、要望を取りまとめる。

 また、積水ハウス不動産(株)と西武不動産プロパティマネジメント(株)の入会を承認。同協会の会員数は162社となった。

 同日、第15回「不動産協会賞」も発表。これは、社会貢献活動の一環として、日本経済や国民生活に関する著作物の中から社会課題への理解促進に資するものを選定・表彰するもの。対象ジャンルは「都市再生」「エリアマネジメント」「豊かな住生活の実現」「防災・レジリエンス」「脱炭素」「少子高齢化」「働き方改革」など。
 今回の受賞作品は、「マンションの未来は住む人で決まる」(久保依子氏著、幻冬舎)、「地域防災の実践:自然災害から国民や外国人旅行者を守るための実学」(鈴木猛康氏著、理工図書)、「〈迂回する経済〉の都市論:都市の主役の逆転から生まれるパブリックライフ」(吉江 俊氏著、学芸出版社)の3つだった。

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