不動産ニュース / 開発・分譲

2025/3/27

大和ハ、「つくば」駅前の複合開発を竣工

「ディールつくば」の外観

 大和ハウス工業(株)は27日、茨城県つくば市で進めていた複合開発の竣工内覧会を行なった。

 同開発は「(仮称)つくば市吾妻20街区プロジェクト」として整備していたもので、オフィス・商業の複合ビル「d_ll TSUKUBA(ディールつくば)」とオフィスビル「大和ハウスつくば駅前ビル」、立体駐車場「D-Parkingつくば駅前ビル駐車場」(総駐車台数353台)で構成する。

 つくばエクスプレス「つくば」駅直結、敷地面積は7,639.38平方メートル。国家公務員宿舎の跡地を平置き駐車場として利用していた県有地だったが、2017年に同社が公募によって取得し、着工までの期間はグループ会社による時間貸し駐車場として運営していた。

 駅直結の利便性に加え、2階屋外デッキと同駅を接続するエレベーターも設置し、開発地へのアクセスだけでなく、周辺地域との回遊性を高めた。さらに、隣接する小学校への配慮などを目的に容積率の消化を約半分としたほか、小学校側に極力窓を作らない設計的な工夫を行なった点も特徴。「当初はキーテナントとして大型テナントを誘致する予定だったが、開発許可を待っている期間にコロナ禍となったため計画変更を行なった。周辺施設とのバランスも考え、保育園やクリニックといった小規模なテナントで構成。建物高さも従前計画よりも低く抑えた」(同社執行役員東関東支社長・髙吉忠弘氏)。

 複合施設「ディールつくば」は、鉄骨造一部鉄筋コンクリート造地上5階地下1階建て、延床面積は1万190.82平方メートル。1・2階を店舗、3~5階をオフィスで構成。同社によると、「つくば」駅前エリアでの賃貸オフィスビル供給は35年ぶりだという。オフィス部分は最大36区画に分割が可能で、最小賃貸面積は97.56平方メートル。平均賃料は共益費込みで1坪当たり約2万円。現在、同社グループ会社およびスタートアップ企業など約8割の入居が決まっている。店舗フロアにはクリニックや保育園などが入居予定。

 「駅前ビル」は、鉄骨造4階建て、延床面積3,339.23平方メートル。同社茨城支店とグループ3社が入居し、約200人が勤務する。フリーアドレスや集中ブースの設置、リフレッシュ用のテラスデッキを設けるなど、従業員が働きやすい環境を整備した。同ビル1階には商談室8室を用意したショールーム「リビングサロン」を設けている。

 両施設共に環境配慮型施設として、屋上に太陽光発電パネルを搭載。「ディールつくば」に約40kW、「駅前ビル」に約30kWの計約70kW設置しており、さらに20kWhのリチウムイオン蓄電池も搭載することで、自家使用するとともに同社が供給する再生可能エネルギー由来の電力を使用することで再エネ100%を達成する。BELSの5つ星とZEB Readyの認定を取得している。また、駐車場棟も合わせて合計17基のEV充電器も導入した。

 開業は、「ディールつくば」が4月1日、「駅前ビル」が4月28日、「駐車場」が3月28日の予定。

「ディールつくば」のオフィスフロアは最大36区画に分割可能で、現在8割の入居が決まっている
屋上に太陽光パネルを設置するなどしてZEB ReadyやBELS5つ星の認証を取得した

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ZEB

消費する一次エネルギーが実質的にゼロである建物。英語のNet Zero Energy Building(ネット ゼロ エネルギー ビルディング)の略語である。

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エリアの価値向上に大きく寄与する複合開発。住宅や商業施設、公共施設、教育施設や図書館、クリニックなどが一体的に整備されることで、再開発されたエリア内で日常生活が完結できるような、利便性の高い生活環境が整うケースもありますが、その規模感の大きさから有事の際に全体が連携できるのかといった懸念も…。今回は、オフィスビル・賃貸マンション・分譲マンションの3棟からなる複合開発「MEGURO MARC」を取材。防災対策の本音を調査しました。