不動産ニュース / 開発・分譲

2025/3/28

三菱地所、「丸ビル」にフレキシブルオフィス

什器付きの「ハーフセットアップオフィス」
「サービスオフィス(個室)」は22室用意
「会議室付き小割オフィス」は20~50人程度での利用を想定している

 三菱地所(株)は28日、「丸の内ビルディング」(東京都千代田区)27・28階で、4月1日に開業するフレキシブルオフィス「xLINK(クロスリンク) 丸ビル」を報道陣に公開した。

 同社は、2022年4月にフレキシブル・ワークスペース事業部を新設。23年2月には、国内外でフレキシブルオフィス事業を展開する日本リージャスホールディングス(株)をグループ会社化するなど、フレキシブルオフィス事業を積極展開している。今回開業する「xLINK 丸ビル」を含め、現時点で「xLINK」7施設・約4,300坪を運営。25年度のフレキシブルオフィス事業の年間総売上は、グループ全体で約325億円を見込む。

 「xLINK 丸ビル」は、カフェやソロワークブース、フォーカスブース、ミーティングブース、ボックスシート、プロジェクター付きのイベントスペースなど多様な用途を持つ共用ラウンジ(約107坪)に併設する形で「ハーフセットアップオフィス」を27階に整備。ほか、「サービスオフィス(個室)」と「会議室付き小割オフィス」を28階に配置した。
 「ハーフセットアップオフィス」は3区画(約38坪、約102坪、約104坪)で、20~80人程度の利用が可能。専用エントランス、会議室、簡易なコミュニティキッチン、テレフォンブース、基本的なオフィス什器付き。什器・造作付きとすることで、退去時の原状回復工事を抑えることができる。同社フレキシブル・ワークスペース事業部ユニットリーダーの岩本祐介氏は、「主にはグローバルで展開しているSaaS系の企業に借りていただくケースが多いが、そうした企業は少人数から始まり、一気に大きくなっていく。自前のオフィスを造って壊して、を繰り返すのではなく、使いたい機能がそろっているオフィスの需要は大きい」と説明した。
 「サービスオフィス(個室)」は、4~33人が利用可能な什器付き個室を22室用意。受付やコンシェルジュサービス、入居者専用ラウンジ、オンラインブース、共用会議室を完備する。また、7区画に「会議室付き小割オフィス」(35~66坪)を設置。20~50人程度で利用可能な専用エントランス、会議室付き。「サービスオフィス(個室)」エリアの受付やコンシェルジュサービス、入居者専用ラウンジ、オンラインブース、共用会議室も利用可能とした。
 同社によると、交通利便性や、約5,000社もの企業が集積する丸の内というエリア、皇居を望む眺望の良さなどが評価され、約25%が契約済みという。

 今後については、26年7月に竣工予定の「大手町ゲートビル」(東京都千代田区)にフレキシブルオフィスを開設。さらに、28年に竣工予定の「Torch Tower(トーチタワー)」(同)には、同社最大級となる2,000坪のフレキシブルオフィスを設ける計画としている。同社執行役常務の荒木治彦氏は「丸の内エリアのフレキシブルオフィスを、30年までには3万坪に拡大していきたい」と話した。

ビル就業者向けの共用ラウンジを新設
既存顧客からのニーズが高かったことから、共用ラウンジには仮眠を取れるようなリフレッシュスペースも設けた

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フレキシブルオフィス

利用形態を幅広く選択できる事務所。和製英語である。賃貸して利用するが、その賃貸借の期間、利用方法、付帯サービスなどについて選択の幅が広く、業務の状況に応じて柔軟に変更できる。また、業務設備や支援サービスが提供されることも多い。

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