(株)アズ企画設計は11日、2025年2月期決算(連結)と、今後の経営戦略に関する説明会をWebで開催した。
当期(24年3月1日~25年2月28日)は、売上高124億3,000万円(前期比8.0%増)、営業利益9億7,500万円(同46.9%増)、経常利益7億4,000万円(同63.0%増)、当期純利益4億6,100万円(同25.5%減)となった。
仕入れ・販売の両方を順調に進め、販売用不動産残高は79億3,000万円(同26億6,000万円増)に増大。期初在庫を販売し、高価格帯の物件へと入れ替えたため、想定販売価格の中央値は9億1,000万円(同2億4,000万円増)に上昇した。また、26年2月期は、中期経営計画(25年2月期~27年2月期)の中間期に当たるが、当初掲げていた最終年度である27年2月期計画を1年前倒しで目指すこととする。
不動産販売事業では、収益不動産を取得し、リノベーションによるバリューアップやリーシングにより、稼働や利回りを向上させ投資家へ販売。レジデンス9棟、区分事務所8件、区分マンション6件、ビル3棟、寮1棟を売却した(同4件増)。売上高は114億9,424万円(同8.0%増)、セグメント利益は10億3,167万円(同35.7%増)。
不動産賃貸事業は、貸しコンテナ、コインパーキング、事業用・居住用サブリースに加え、不動産販売事業において取得した販売用不動産賃料収入等の獲得にも注力。インバウンド需要が回復し、民泊施設による積極的な収益獲得にも努めた。その結果、売上高7億1,244万円(同13.1%増)、セグメント利益1億2,879万円(同79.8%増)を計上している。
同社代表取締役社長の松本俊人氏は、事業成長に向けた今後の営業戦略について説明。「5億円以上の物件を中心に、10億以上の収益不動産の取り扱いを積極的に拡充する。また、投資家からのさまざまなニーズに対応するため、オフィスや店舗などレジデンス以外の取扱比率を上げることに取り組んできた。その結果、売上高の向上や取引件数が増加するなど、事業規模の拡大につながっている。事業基盤が強化されたものとして、今後は『営業利益向上』と『社外との連携』に力を注ぐ」と話した。
「営業利益向上」では、マーケットに合わせた賃料単価への変更交渉、大規模なリニューアル工事、管理経費の徹底削減による内部成長の充実を図る。「短い保有期間であることは当社の強みだが、一方でそのために内部成長をさせる施策のうち取り組んでいない項目がいくつもある。今後は物件を選定し、長期間の保有で内部成長を充実させて利益を確保することにより、全体の利益率の向上を目指す」とした。
「社外との連携」については、営業強化による持続的成長だけでなく、非連続的な成長に向けて取り組むべき対象領域を10分野に分割。戦略的業務提携やM&A、連携(取引)先の拡充、提供サービスの拡充などの取り組みを進めていく。
次期は、売上高135億円、営業利益10億8,000万円、経常利益8億円、当期純利益5億1,000万円を見込む。