三井不動産（株）は9日、2025年3月期決算（連結）を発表した。
当期（24年4月1日～25年3月31日）は売上高2兆6,253億6,300万円（前期比10.2％増）、営業利益3,727億3,200万円（同9.7％増）、事業利益（営業利益と持分法投資損益と固定資産売却損益の和）3,986億8,800万円（同15.2％増）、経常利益2,902億6,200万円（同8.4％増）、当期純利益2,487億9,900万円（同10.8％増）となった。売上高は13期連続、営業利益・経常利益・純利益は3期連続で過去最高を更新した。
賃貸事業は、売上高8,723億3,100万円（同7.0％増）、事業利益1,764億2,900万円（同4.3％増）。オフィスについて、「東京ミッドタウン八重洲」（東京都中央区）や「50ハドソンヤード」（米ニューヨーク）といった大型案件での増収のほか、既存商業施設の売上の伸長等が寄与。さらに、シェアオフィス事業「ワークスタイリング」の稼働率の大幅な向上、シニアレジデンス3物件の竣工・稼働が大きく貢献した。期末の空室率はオフィス・商業施設全体で3.5％（同0.3ポイント低下）、首都圏オフィスは1.3％（同0.9ポイント低下）、地方圏オフィスは3.4％（同0.2ポイント上昇）となった。
分譲事業は売上高7,580億6,900万円（同20.8％増）、事業利益1,670億7,800万円（同23.6％増）。国内住宅分譲は、売上高4,135億7,400円（同31.5％増）、事業利益964億3,100万円（同93.7％増）。「パークタワー勝どきサウス」（東京都中央区）、「三田ガーデンヒルズ」（東京都港区）等の大規模かつ高額な物件の引渡しの進捗が大きく寄与した。マンションの売上戸数は3,693戸（同413戸増）。戸建ては売上戸数417戸（同3戸減）だった。期末時点のマンションの契約戸数は3,844戸で、完成在庫は54戸。次期計上予定戸数2,800戸に対する契約達成率は88.4％となった。投資家向け・海外住宅分譲等は前期に高利益率物件を売却した反動等で、売上高3,444億9,500万円（同10.0％増）、事業利益706億4,700万円（同17.3％減）となり減益。分譲事業全体では増益となった。
マネジメント事業は売上高4,862億9,100万円（同5.1％増）、事業利益716億4,200万円（同8.1％増）。プロパティマネジメントは貸し駐車場（リパーク）の稼働率は向上したが、システム関係費用の増加などで増収減益。仲介・アセットマネジメント等は、リハウス（個人向け仲介）の取引単価向上、資産運用残高の拡大などで増収増益となった。
次期は、売上高2兆7,000億円、営業利益3,800億円、事業利益4,250億円、経常利益2,850億円、当期純利益2,600億円を見込む。営業収益は14期連続、事業利益は2期連続、純利益は4期連続での過去最高の更新を見込んでいる。「賃貸」セグメントは、国内商業施設の新規開業・増床や、「東京ミッドタウン八重洲」等による賃貸収益の増加があるものの、米国賃貸物件における竣工に伴う費用増等を織り込み、全体では当期と同程度の水準を見込む。「分譲」セグメントは、国内住宅分譲における都心・高額・大規模な物件の計上による利益率の向上などで、大幅な増益を見込んでいる。
