
自由民主党議員277名が所属する自民党賃貸住宅対策議員連盟(ちんたい議連)は3日、2025年度総会を開催。所属議員の他、賃貸住宅管理業界の主要団体の役員や関連省庁の実務者などが出席した。
総会では、全国賃貸住宅経営者政治連盟(ちんたい政連)と全国賃貸管理ビジネス協会(全管協)からの要望を受け「2026年度予算編成及び税制改正等における要望事項決議」を採択した。ちんたい政連は継続要望として、家賃・共益費への消費税課税は対象外とすること、賃貸住宅修繕共済制度を水回りの修繕・交換工事費や解体まで対象とすること等を挙げ、重点要望では10月に施行される改正住宅セーフティネット法を実効性のあるものにするため、住居面積要件の緩和や居住支援法人等への運営費支援等を盛り込んだ。
全管協は、外国人による国内不動産の無制限な取引への規制、悪質な家賃滞納者情報を宅地建物取引業者間で共有できるデータベースの創設、賃貸借契約における媒介報酬の上限の見直し等を、継続要望事項として示した。
ちんたい政連会長、自由民主党ちんたい支部連合会会長、全管協名誉会長の高橋誠一氏は、「賃貸住宅の家賃や共益費に消費税を課さないことは、われわれ賃貸関係団体の総意であり、守り続けなければならない。今後も党員拡大にも注力し、今年度は現状の4万人から4万5,000人へと増やしたい」と話した。
全管協会長の三好 修氏は、「外国人による国内の不動産の取引は、一定の規制を設けるべき。安全保障のみならず、国内の主権保護や環境保全、社会経済を維持していく上でも重要なテーマ。賃貸住宅の仲介手数料については、時代に即して常に見直していくべきであり、宅地建物取引業法の改正を講じていただきたい」と要望した。
(公社)全国賃貸住宅経営者協会連合会会長の宮野 純氏は、「10月施行の改正住宅セーフティネット法では、居住サポート住宅が設けられ、居住支援法人を通じて見守りや入居者死亡時の残置物処理など入居者を支える仕組みの充実を図っている。しかし、実際には居住支援法人の半数以上が赤字経営に陥っている。住宅確保要配慮者を対象とするため業務量に対して十分な対価を得ることが難しいからだ。継続的な運営が難しく、制度が機能不全を起こす可能性がある。こうした状況が続けば家主の受け入れの意欲が損なわれる。家主を支えるプレーヤーが持続可能な活動ができるよう、補助制度などで支援していただきたい」などと訴えた。
(公財)日本賃貸住宅管理協会会長の塩見紀昭氏は、「われわれも改正住宅セーフティネット法をどのように実務に落とし込んでいけるか、議論を続けている。形だけの改正ではなく、単身高齢者が安心して暮らせる住まいを、皆さんと共に提供できるようにしていきたい」と話した。
なお、ちんたい議連の石破 茂会長が首相に就任したことから、在任中は逢沢一郎氏が会長代行を務めることになった。