
(一社)不動産流通経営協会は5日、ザ オークラ東京で定時総会を行ない、2024年度の事業報告と、同年度の計算書類等について議決・承認した。また、役員の選任を実施。新理事の互選によって理事長に三井不動産リアルティ(株)代表取締役社長の遠藤 靖氏を選出した。前理事長の太田陽一氏は顧問に就任した。
総会後に開かれた懇親会で挨拶した遠藤新理事長は「不動産流通市場は高い水準で順調に推移しているが、社会経済環境に目を向けると、大きな変化が続いている。こうした難しい局面の時期に不動産流通市場の重要性を高めるためにはいくつかの課題解決に取り組まなければならない」と抱負を述べた。その課題に(1)既存住宅流通を促進する税制改正、(2)新たな不動産流通の制度・システムの構築、(3)安心・安全の仲介サービスの提供、の3点を挙げた。(2)については、「国土交通省が行なっているデジタル技術を活用した役所調査の実証などに協力していきたい」、また(3)に関しては「人材育成・教育研修により一層力を入れていく」と話した。
25年度の事業計画は、3月に行なわれた理事会で承認済み。調査研究では、市場動向調査や消費者動向調査などのほか、新築・既存住宅における住宅ローン減税等各種税制における取り扱いの相違解消を目指し、その必要性を示すエビデンス収集および調査を継続して実施していく。税制改正要望については、25年度に期限切れを迎える各種特例措置の延長や住宅ローン減税の最低床面積を新築・既存共に40平方メートルとするなどの内容を盛り込んでいる。