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三菱地所レジデンス(株)と三菱地所(株)は7日、東京大学目白台キャンパスの土地有効活用事業として開発を進めてきた複合施設「Tonowa Garden目白台」(東京都文京区)のまちびらきを行なった。東京大学大学院医学系研究科附属グローバルナーシングリサーチセンター(GNRC)のオープンラボ(以下、GNRC)を核に、医療・介護・保育等に関するさまざまな施設が入居。各施設の利用者や地域住民、学生や研究者等による「多世代・地域・異文化」コミュニティの醸成を目指す。
同施設は、東京メトロ有楽町線「護国寺」駅より徒歩6分に立地。敷地面積は約5,290平方メートル、延床面積約9,600平方メートル、鉄筋コンクリート造地上5階建て。竣工は2025年1月。建設地は、東京大学目白台キャンパスの未利用地で、かつての東大附属病院分院跡地。東側には、同じく遊休地を再開発した同大学の国際宿舎「目白台インターナショナルビレッジ」が隣接する。
20年5月に同大学が実施した土地有効活用に係る事業協力者募集に対し、三菱地所レジデンスが事業主、三菱地所(株)が総合企画となり複合建物賃貸事業に基づく定期借地事業を提案し、選定された。22年3月、三菱地所レジデンスと同大学の間で事業協定を締結した。期間は65年。
同施設には、GNRCのほか、(株)ベネッセスタイルケア運営の介護付有料老人ホーム「アリア護国寺」(全53室)、(株)コミュニティネット運営のサービス付き高齢者向け住宅「クイーンヒル目白台」(全80戸)、(一社)東大看護学実装普及研究所の看護ステーション、クリニック、調剤薬局、リハビリ特化型デイサービスなどの医療・ヘルスケア施設が入居。このほか、(株)ベネッセスタイルケア運営の学童保育施設や、地域住民や施設利用者の交流の場となるコミュニティラウンジ、防災備蓄倉庫も設けた。
GNRCでは、子供から高齢者まで幅広い地域住民を対象に、東大の看護系教員や大学院生、学部生が健康・ケアに関する学習プログラムを提供するほか、看護・ケア専門職のサポート等に取り組む。看護ステーションでは、GNRCと連携して、介護保険・医療保険制度による訪問介護に加え、世帯単位での月額制看護サービス(保険外)「つながるケア」も展開する。
コミュニティプラザでは、「目白台インターナショナルビレッジ」の留学生を含めた多様なコミュニティ形成を図るべく、地域住民主体で運用していく。また、防災備蓄倉庫やかまどベンチ、マンホールトイレなどのハードを活用し、地域・入居者・利用者の「防災コミュニティ」形成も図っていく。
まちびらきイベントで挨拶に立った三菱地所レジデンス執行役員投資アセット企画開発部長の渡辺昌之氏は「高齢者から子供まで、地域住民の看護・介護、予防医療の核となる施設として、それらサービスを支える皆さまが活用していただける施設として、また地域・東大・入居者・利用者とたくさんの人の輪が広がる施設として、地域の皆様の持続的で豊かな暮らしの実現に貢献したい」と抱負を述べた。
また、東京大学理事の菅野 暁氏は「04年の国立大学法人法の改正により、教育研究の向上を目的に所有する土地等を民間企業に貸し出すことが可能になった。今回の取り組みはその第1弾となる。医療・福祉・教育・研究機能を持つ複合施設の建設とともに、狭隘な道路の拡幅という地域課題も解決できた。今後は地域医療・介護の総合的解決窓口となる施設を目指す」などと語った。
なお、三菱地所グループは、同大学西千葉キャンパス跡地の再開発にも参画している。
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