
ヒューリック(株)と日本航空(株)は15日、成田空港の近接地で航空上屋施設(保税蔵置場)と物流施設を一体化した国内初の国際物流拠点「WING NRT(ウイング ナリタ)」(千葉県成田市)の開発・運営を共同で進めることについて合意したと発表した。
日本の港湾は空港発着容量の限界や施設整備の難しさなどから厳しい状況にある。成田空港ではこうした状況を打破すべく第3滑走路の新設をはじめ、国際空港貨物のハブ機能を備えるべく貨物施設の新設・拡張や上屋の集約化がうたわれており、東アジア地区における最重要空港に返り咲くための各種計画が検討されている。
今回の合意では、ヒューリックがすでに取得している約45万平方メートルの用地に、建物面積約42万平方メートル、上屋施設約15万平方メートルの建物を新設する。
JALは上屋施設において、最先端のテクノロジー機器を導入する他、医療品専用定温庫、高機能冷蔵・冷凍庫等を完備し、あらゆる物流ニーズに対応する。両社は開業後の施設運営および進出企業の誘致についても共同で取り組み、成田空港と同街区を高頻度で結ぶ輸送サービスや同街区内での貨物輸送サービスといった運営形態をつくっていく予定。
同街区は、千葉県内で初めて地域未来投資促進法における重点促進区域として承認されており、税制・投資含めてさまざまな優遇措置が講じられる。多様な物流関連企業を誘致することで、地域の雇用拡大にも貢献する。
2027年に着工、29年の開業を目指す。