(株)東京カンテイは7月31日、直近10年間(2015~24年)の新築一戸建て住宅の供給動向を調査、駅別に集計・分析した。集計対象は土地面積30~300平方メートル、最寄り駅からの所要時間が徒歩30分以内もしくはバス20分以内、木造、土地建物共に所有権の物件。
首都圏で最も供給戸数が多かったのはJR東海道線「平塚」駅で10年間の合計で5,577戸。前期(15~19年)・後期(20~24年)に分けると、前期は1,841戸、後期は3,736戸となった。次いで同「茅ヶ崎」駅で5,035戸(前期2,171戸、後期2,864戸)、3位はJR武蔵野線「東浦和」駅で4,115戸(前期1,918戸、後期2,197戸)。上位にランクインした駅のほとんどで後期の供給戸数が大きく増加している。同社では「20年のコロナ禍により、郊外戸建ての需要が拡大したことが要因。価格も上昇したとはいえ、マンションのそれに比べて上昇幅が緩やかだったことも追い風となったのでは」と分析した。
駅距離別で集計したところ、「平塚」駅最寄りの物件は「バス便」が最も多く、前期が75.3%、後期が76.7%を占めた。「茅ヶ崎」駅についても、「バス便」が前期46.7%、後期57.1%と最多シェア。このほか、上位30駅で「バス便」が最多シェアとなったのは前期23駅、後期25駅となった。なお、首都圏全体の平均では、「11~15分」が前期26.3%、後期24.4%で共に最多となった。
近畿圏については、10年間で最も供給戸数が多かったのは京阪本線「寝屋川」駅の2,345戸(前期880戸、後期1,465戸)。次いで阪急京都線「高槻市」駅の1,806戸(前期735戸、後期1,071戸)、JR京都線「高槻」駅の1,464駅(前期649戸、後期815戸)となった。こちらも上位30駅で後期の方が供給が多くなった。
中部圏で最も供給戸数が多かったのはJR東海道本線「静岡」駅で2,887戸(前期677戸、後期2,210戸)。2位はJR中央本線「高蔵寺」駅の2,523戸(前期940戸、後期1,583戸)、3位はJR東海道本線「浜松」駅の2,371戸(前期684戸、後期1,687戸)。中部圏は前期は5年間で1,000戸を供給した駅はなかったが、後期には6駅が1,000戸以上を供給するなど、20年以降の供給が活発化している。