不動産ニュース / 開発・分譲

2025/9/4

再開発、民泊可、複合など「高付加価値」で差別化

 大和ハウス工業(株)は4日、マンション事業計画に係る説明会を開き、今後の事業戦略について、上席執行役員マンション事業本部長の富樫紀夫氏らが説明した。

 同社の2025年度のマンション事業売上高計画は2,900億円。24年度(2,694億円)から7.6%増となる。事業用地価格の上昇や建築費の高騰など事業環境の変化に対応し、昨年度から進めている「高付加価値物件」の供給に絞り、供給戸数は追わず収益・資金効率を重視していく。これにより、営業利益150億円(24年度比37.5%増)、営業利益率5.2%(同1.2ポイントアップ)を目指す。

 今後取り組む事業については、事業を通じて社会課題を解決できるもの、大和ハウスグループの総合力が発揮できるもの、多様化するユーザーニーズに対応できるものを中心とし、高付加価値が創出できる「再開発」「マンション再生」「複合開発」「多用途対応」「環境配慮型」「海外事業」などに取り組む。

 三大都市圏・地方圏含め、同社が現在取り組んでいる再開発案件は23件、マンション再生は7件、複合開発は10件。「全国では、建築費の高騰など事業費の上昇により、事業停止に追い込まれる案件も少なくないが、当社はレピュテーションリスクを避けるため、たとえ事業利益がゼロになるような場合でも中止することはしない。中には代表事業者が事業継続を諦め、当社が事業を引き継ぐケースもある」(富樫氏)。地域のランドマークとなるような物件を供給していくことで、想定以上のペースでの販売や事前反響を集めることに成功している事業も多いという。

 マンション再生は、老齢マンションの課題解決に向け専門チームを組んで管理組合を支援。複合開発は、大和ハウスグループの事業領域を生かし、分譲マンションを核としながら商業施設、医療施設、オフィスビル、ホテル等を組み合わせ、まちの機能を再構築することで付加価値を創造していく。

 また、多用途対応マンションの代表格として、新築分譲時の管理規約で民泊対応とすることで分譲価格に見合った付加価値を提供する「モンドミオ」の供給を進める。19年からこれまで北海道と沖縄県で計6物件を供給。計3物件を予定。「今後は福岡県や大阪府での供給を検討していく。ただし、民泊特区である大阪市では民泊運営に係るトラブルも問題となっている。グループのマンション管理会社である大和ライフネクストとも対策を協議していく」(同氏)。

 環境配慮では、23年度以降はすべてのマンションをZEH-M Oriented以上を基準とし、これまで40棟・3,799戸のZEH-Mを供給済み。「今後はGX ZEH-Mがスタンダードになってくるはず。国の要件が整い次第、すぐ対応する」(同氏)。

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