
平和不動産(株)は23日、東京証券取引所ビル本館(東京都中央区)の耐震バリューアップ工事を完了したと発表した。三菱地所設計(株)と鹿島建設(株)が設計と工事監理を手掛け、鹿島が施工した。
同ビルは1988年に竣工。鉄骨造一部鉄骨鉄筋コンクリート造地上15階地下3階建て。最高高さは78.8m。同ビルの屋上に、おもりが揺れることで地震による建物の揺れを打ち消すTMD型制震装置「D3SKY-L(ディースカイエル)」を設置。錘重量400tの装置を2基設置し、築37年のビルながら耐震性能を最新鋭の超高層ビルと同等まで引き上げた。
長周期地震動を含む大地震から中小規模の地震まで幅広い地震動に対応した装置で、揺れ幅や揺れを感じる時間を大幅に低減することができる。東日本大震災の地震動を使ったシミュレーションでは、建物全体の故を半減、強く揺れを感じる時間を大幅に短縮した。