(株)ザイマックス不動産総合研究所は12日、「オフィス運用に関する実態調査」結果を発表した。
早稲田大学理工学術院創造理工学部建築学科の石田航星研究室との共同調査。首都圏および大阪市に本社を置く従業員300人以上の企業8,712社が対象で、355件の有効回答を得た。
オフィス内の各スペースの整備状況については、「十分整備されている」「ある程度整備されている」を合わせた回答が多い順に、「個室タイプの会議室」(87.6%)、「オープンミーティング用スペース」(75.5%)、「カフェ・リフレッシュスペース」(51.3%)、「1人用個室(オンライン会議等用)」(43.6%)。「カフェ・リフレッシュスペース」が過半数を超え、従業員の休憩や気分転換のための空間が、近年ではオフィスの標準的な要素として定着しつつあることが分かった。
オフィス運営事業の実施範囲については、「オフィスの内装工事・レイアウト変更」(57.7%)、「オフィスの賃貸借契約管理(契約締結、更新等)」(54.6%)、「防災、リスクマネジメント、セキュリティ等」(46.5%)が上位に。また、「従業員満足度・エンゲージメント調査の実施・活用」が35.8%を占めるなど、オフィスを通じて従業員の意識やエンゲージメントを把握・改善しようとする動きも見られる。さらに、「オフィスにおける環境負荷低減の推進」(32.1%)、「コミュニケーションの活性化の企画・運営」(31.8%)、「カフェ・リフレッシュスペース等の企画・運営」(28.7%)、「従業員のウェルビーイング向上施策の企画・実施」(25.4%)など、従来の施設管理の枠を超えた業務も一定数確認されており、運営業務の幅が拡大していることが分かった。
オフィス運用における重視項目と現状の評価についても質問。「重視しており現状に満足」と「重視しているが改善の余地あり」を合わせた割合順にみると、1位は「法規制遵守とリスク管理の徹底」(65.7%)で、安全・コンプライアンス意識の高さがうかがえる結果となった。以下、「従業員の生産性向上への貢献」(62.2%)、「従業員が『行きたい』と感じる魅力的なオフィス体験の提供」(53.8%)、「従業員エンゲージメント向上への貢献」(51%)と、人的資本に関わる項目が上位を占めている。
