(一社)不動産協会は25日、分譲マンションの「投機的短期転売問題」について、取り組みを決定したと発表した。
同問題をめぐっては、9月19日の記者懇談会で理事長の吉田淳一氏が、同協会の見解を説明(詳細は、過去のニュースを参照)。「抑制のために何らかの対策が必要と認識している」とし、同問題に対する取り組みをまとめるとしていた。
11月25日、副理事長専務理事の野村正史氏と理事事務局長の安井清史氏が、その内容について説明。一般公募による販売物件を対象に、(1)1物件当たりの購入戸数を制限し、かつ1回の販売期(次)における登録可能住戸数も同様に制限する(制限戸数は1戸の場合だけでなく、物件特性に応じて複数住戸の上限設定となる場合もある)、(2)登録(申込)名義にて契約、引き渡し、所有権に関する登記を行なうことを徹底し、登録時確認書・売買契約書・重要事項説明書等に明示する、(3)売買契約締結から引き渡しまでの期間において、売却活動を禁止し、登録時確認書・売買契約書・重要事項説明書等に条項を新設し、記載する、の3つの施策を基軸として展開していくとした。
その上で、安井氏は「すべての物件で一律に行なうものではない」とし、会員各社ごとの判断の下に「対策を実施しない場合もある」とした。
加えて、三井不動産レジデンシャル(株)が開発中の「セントラルガーデン月島 ザ タワー」(東京都中央区、総戸数744戸)が、これらの施策の第1号物件であることも明らかにした。
野村氏は「投機的短期転売が抑制されることを期待し、これらの対策を設けた。また、この取り組みをもってマンション価格がただちに下がるということもないだろうと考えている」と、実効性は限定的なものにとどまるとの見解を示した一方で、「住まいが住まいの用に供されていない状況は好ましくない。その対策につながれば」と話した。
今後については、各社の取り組み状況を調査により把握していく、としている。
