国土交通省は26日、社会資本整備審議会住宅宅地分科会の会合をウェブ併用形式で開き、住生活基本計画(全国計画)の素案について議論を行なった。
4日に公表された中間とりまとめを踏まえて素案を作成。4部構成として、第1部では住生活の安定の確保・向上の促進に関する施策についての基本的な方針について、第2部では目標とその達成に向けた基本的な施策、第3部では、大都市圏における住宅の供給等と住宅地の供給の促進について、第4部では、総合的かつ計画的な施策の推進についてまとめた。
第1部で掲げた基本方針では、市場機能を前提とした取り組みとして、ニーズに応じた住宅をタイムリーかつ的確に供給することができる「循環型市場」の形成や、既存住宅・住宅地の本格的な有効活用、分野横断による居住線の充実などが盛り込まれた。第2部では「住まうヒト」「住まうモノ」「住まいを支えるプレイヤー」の3つの視点から、11の目標設定し、それぞれに「2050年に目指す住生活の姿」「基本的な施策(当面の10年で取り組む施策の方向性など)」について記述。視点ごとに指標を設定した。
第3部では、東京や大阪といった住宅に対する需要が著しく多い都道府県での住宅供給に関する取り組みの方向性を定めた。また第4部では、建築行政や住宅金融市場との連携など、官民が横断的に取り組むべき内容について記した。
これに対して委員からは、「それぞれの視点ごとに総論的な説明がほしい」「制度ができても、消費者に伝わらなければ意味がない。相談機能や情報提供についても言及するべきでは」「金融面での住宅取得支援については言及があるが、足下の環境を踏まえて過大な税負担の軽減策についても盛り込むべきでは」「既存住宅取引に関してユーザーリテラシーが上がってDXが進むことで、取引のあり方も変化する可能性はある。手数料のあり方も含めて視野を広げる必要があるのでは」などといった意見が挙がった。
次回の会合は2月26日、これら委員からの意見を踏まえて、住生活基本計画(全国計画)の案を提示する予定。その後、3月の閣議決定を目指す。
