不動産ニュース / 政策・制度

2026/1/20

「建築中長期ビジョン」策定へ検討の方向性示す

 国土交通省は20日、社会資本整備審議会建築分科会(分科会長:中埜良昭東京大学生産技術研究所教授)の49回目の会合を開いた。今回は、(1)今後の住宅・建築物の省エネルギー対策のあり方(第4次報告)、(2)建築分野の中長期的なビジョン策定に向けた中間的なとりまとめ等について意見を交わした。

 (1)では、同分科会建築環境部会(部会長:同)でまとめた報告案の内容を報告。報告案は「脱炭素社会の実現に向けた建築物のライフサイクルカーボン評価の促進及び省エネルギー性能の一層の向上について」と題して、ライフサイクルカーボン評価の促進や省エネ性能の向上に向けて現状と課題を整理するとともに、課題解決に向けた制度整備等に言及している。これについて承認し、分科会の報告として社会資本整備審議会長に報告することとした。

 (2)は、多様化する社会的要請への対応や、ストック活用社会の到来、担い手不足などを背景に、これからの時代に即した「良い社会資本」としての建築物・市街地を構築するために、建築分野全体の方向性を示すビジョンの策定に向けた検討の方向性をとりまとめたもの。

 建築中長期ビジョンでは、2050年のカーボンニュートラルや改定作業が進む住生活基本計画(全国計画)などを見据え、目指す社会像の設定やその実現に向けた取り組み事項についての検討方針等を整理。ストックの質向上や建築に関する技術進化、建築に係る担い手の状況などといった昨今の環境変化を踏まえて目指す社会像を検討すべきだとし、「国民や産官学の関係者の目線を踏まえて共通の社会像を示し、建築物・市街地については建築の公共性の中核として位置付けていく必要がある」とした。

 また、目指すべき社会像を実現するための具体の取り組み事項についても、「建築物・市街地(モノ)のあり方」「建築を支える担い手(ヒト)」「建築を支える環境・仕組み(社会)」という3つの視点で整理する。各視点での検討を進める上では、地域で顕在化する課題やその対策を早期に反映できる枠組みや適切な情報発信の仕組みなども必要だと指摘した。

 こうした内容について、出席した委員からは、「ストック活用について考える際、日本の住宅・建築物は、法定耐用年数を超えて使用されている実態がある。『耐用年数』による価値判断から、一歩踏み出すことが求められる」「ストックの評価を見直すことで、追加投資の促進につなげることも意識したい」などといった声が聞かれた。

 今回と中間的なとりまとめを踏まえ、4月頃からビジョンの検討をスタート。26年の秋ごろをめどに中間とりまとめを行なう。さらに、27年春ごろにビジョンをとりまとめる予定。

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