康和地所、小規模外断熱マンション「リリーベル港北Center Cube」を竣工
康和地所(株)(東京都千代田区、代表取締役社長:夏目康広氏)が開発を進めていた小規模外断熱マンション「リリーベル港北 Center Cube(センター キューブ)」(横浜市都筑区、総戸数10戸)が竣工した。神奈川県横浜市の港北エリアで、3棟の小規模マンションを分譲する「港北ニュータウンプロジェクト」の第1弾。小規模でありながらも、デザイン性の高いプランを企画し、個性豊かな集合住宅を実現させた。内覧会の様子をレポートする。






■集合住宅の新しいかたち
「リリーベル港北 Center Cube」は、地上4階地下1階建て、敷地面積500.22平方メートル、建築延面積1,332.09平方メートル。横浜市有数の人気エリア、横浜市営地下鉄「センター北」駅より徒歩9分。駅前には大型商業施設が相次いで開業、一大ショッピングモールを形成している。
康和地所では、同物件を皮切りに、港北エリアで「リリーベル港北 North Cube(ノースキューブ)」(8戸)、「リリーベル港北 East Cube(イーストキューブ)」(8戸)の計3棟の小規模マンション開発を計画しており、これらを総称して「港北ニュータウンプロジェクト」という。
同プロジェクトでは、コーポラティブ住宅を得意とする3人の建築家にデザインを依頼。3棟それぞれの立地条件、周辺環境に合わせてプランをつくり込み、AからZまでの合計26戸のバラエティ溢れる住空間を提案している。
■環境と調和したデザイン
緑の多い閑静な住宅街に位置することから、「オーガニックビレッジ」というテーマを設け、A~Jの全10タイプの間取りを企画・設計している。
建物中央部には4層吹き抜けのエントランス空間を設置。ルーバーで囲まれた同空間は、差し込む光と風を利用して、木影にいるような感覚を表現している。
各住戸にはボードウォークが渡され、シンボルツリーとなるオリーブが植えられた中庭を眺めながら行き来することができる。また、階段や廊下などには、コンクリートの上にウッドデッキを敷くなど、自然素材をふんだんに採り入れており、小規模マンションでは軽視されやすい共用部分にも、こだわりが感じられる。
住戸はすべてが角部屋となる開放感にあふれたプランニングで、専有面積70.60~116.98平方メートル。
フラットタイプ、メゾネットタイプ、蔵つきタイプ、螺旋階段を配した三層メゾネットタイプ、専用テラスを持つ地下住戸プラン等、個性豊かなライフスタイルを提案している。
室内は、コミュニケーションがとりやすいように、すべてリビングインで設計。サッシには、高性能の樹脂サッシを採用。夜間でも通風のために窓を開けられるよう、防犯ストッパーが付けられており、また、夏の日差しを遮るために、簾をかけるためのボルトも設置されていた。
一方、躯体は耐久性の高い100年コンクリートを断熱材で保護し、長寿命化を図っている。高いメンテナンス性を持たせるとともに、永く住み続けることができるようスケルトンインフィル(SI)も採用。また、梁型のない壁式構造にすることで、バリエーションに富んだ間取りを可能にしている。
■単身者やDINKSへ向けて販売
間取りは2LDK、3LDK、3LDK+プレイルーム、3LDK+蔵。販売価格は5,330万~8,800万円。ターゲットは主に年収1,000万円以上の単身者や40歳代のDINKS。
しかし、そもそも同エリアではファミリー住戸へのニーズが高いため、実際に反響があったのはファミリー世帯がほとんどだという。内覧会時点では、2戸が契約済だが、いずれもファミリー世帯とのこと。
単身者・DINKSに向けて提案していくとしている同社には、販売方法に工夫が求められるだろう。
同社エボリューション事業部・直井隆行氏は「サスティナブルな建物をめざし、内部は間取り変更や設備配管の取替えなど、柔軟に対応できるように配慮しました。ライフスタイルにこだわりを持つ、単身者やDINKSに愉しく住んでもらえれば」と語る。
「画一的なマンションでは物足りない」というライフスタイルにこだわりを持つ人にはお勧めな物件。他2物件のマンションも含め、同社の新たな試みに注目していきたい。(さ)