過去最大の出展者数と来場者数を記録 3日間で2万7,000人強!
6月11日(水)から13日(金)まで、東京ビッグサイトにおいて開催されていた「インテリアライフスタイル」が、大盛況の内に幕を閉じた。 国内外のファッショナブルな雑貨やインテリア、家具などが東京ビッグサイト西ホール全館(会場面積31,280平方メートル)所狭しと集まる国際見本市で、国際的にも注目を集める展示会の一つだ。 世界各国のインテリア雑貨を眺めるのが趣味の記者は、今年も3日間連続で足を運んだ。そんな魅力いっぱいのイベントの様子をリポートする。








出場者数・来場者数が過去最多に
「インテリアライフスタイル」とは、メサゴ・メッセフランクフルト(株)が開催する、ライフスタイル(住空間)を中心に構成するすべてのアイテムを一堂に集めた国際見本市だ。
国内外の最新製品や著名デザイナーによるライフスタイルの提案に直に触れることができるとあって、会場内には、学生からビジネスマン、雑貨好きな女性たちや、海外からやってきた人たちなど…さまざまな来場者で溢れていた。
さて、改めてここで、この「インテリアライフスタイル」の概要を説明したい。
今年は、出展者数31ヵ国653社という過去最大規模。内訳は、国内419社、海外234社。同展示会は、毎年海外からの出展者が多いのが特徴だが、昨年に比べて海外からの出展者数がさらに伸びている。会場内は、出展者の国籍によって分かれており、来場者が動きやすく、見やすいのもまた特徴である。。
来場者についていえば、6月16日(月)の同社が発表した来場者数は、3日間で2万7,390名だという。こちらも過去最高数を記録した。
若手が活躍するデザイナーズエリア
ここまで年々規模が大きくなっている理由の一つに、毎年趣向を凝らした出展テーマや展示商品が発信されるいることにあるのだろう。
今年注目の特別企画は、二つのスタイリッシュなカフェ「Trend Cafe」と、北欧4ヵ国(デンマーク、ノルウェー、スウェーデン、フィンランド)のデザインとそのメーカー、製品を扱う出展者が一堂に会する特別展示スペース「NORDIC LIFESTYLE」、そして、世界に活躍の場を広げたい若手デザイナーと企業のための特別出展スペース「neON」。
「neON」は、若手デザイナーに焦点をあてたデザイナーズエリアで、独創的なデザイン提案をするデザイナー9名が出展。うちタイ、フランスからが1組ずつ。ほとんどのスペースで、デザイナー本人が自ら作品とともに、見学者たちに説明をしていた。
記者が興味を持った作品は福岡市博多区のライスデザイン(株)の代表デザイナーの有川伸彦氏によるもの。「思いやりデザイン」と表現した作品の数々は、自分以外を思いやる「思いやりの心」をテーマにデザインされており、もちろんそれは環境にも優しい。
垂れたロウがそのまま受け皿に入り、リユース用のろうそく品に完成するという「サイホンシキロウソク」や、最後の1枚まで大切に使うために、残量がわかる(透けて見えるデザインにより)詰め替え用ティッシュケース「necessary」など、日常にあるもので、環境に優しいデザインは、「ありそうだけど無かったかも…」そう思えるものであった。
有川氏によれば、「(こういう場では)バイヤーの方たちが直接見て、『これは、売れるから…』といった一言をもらえることが嬉しい、エールになる」という。
これらの9名の出展デザイナーの中から審査に選ばれた1名/組のデザイナーは09年2月にドイツ・フランクフルトにおいて開催される世界最大の消費財見本市「アンビエンテ」に出展する権利が与えられるという。
注目の出展者情報がもうひとつ。イタリアの食器メーカー、グッツィーニ(Guzzini)によるデザインを通して新しい食文化を提案するプロジェクト「フーデザイン グッツィーニ メイドインジャパン(Foodesign Guzzini Made in Japan)」。今年の4月にドイツ「アンビエンテ」での展覧後アジア初の披露の場である。
柳宗理氏をはじめとし、安積伸氏、伊藤節氏など日本を代表するトップデザイナーら36組が世代を超えてこのプロジェクトに参加していることでも注目を浴びている。伊藤氏は初日も会場に登場していた。
さすがにこちらのスペースは、デザイナーらしき人々が、じっくりと作品を見入っている姿が印象的であった。
日常生活に密着したアイディア商品や、機能性の高い商品に注目
デザイン性に優れた商品の展示にも興味はあるが、やはり日常生活に有益なアイディアに優れた商品やサービス情報も取り入れたいところだ。
まず、見つけたのが(株)サンコーの洗剤いらず、水だけで汚れを落とすというクリーナー用品。エコな時代にぴったりの、浴槽や食器など、ありとあらゆるモノのクリーニングに使えるスポンジだ。便利なものもあるんだなぁと感心していると、今度はオーガニックなコットンや衣類、ベビー用品などを展示するブースが目に入った。
地球環境にも優しいエコ商品のみならず、自分の体(皮膚)にも安全で優しいオーガニックな商品というものは、今の時代、どこにいってもあるもんなんだなぁ、と。
しかも最近は、オーガニック製品までも、素朴すぎず、ファッショナブルになってきている。
今、時代は、その両方を持ち合わせた商品やサービスの提案はあたり前のようになっているのかもしれない。
昨年の「インテリアライフスタイル」に比べての感想だが、非常に個性的な商品が多く展示されているのは変わらないが、それらがますますセンスアップされ、その国らしさが加わり、一方でキュートで、もう一方で機能性が高い。この完成度の高さは、非常に目を見張るものがある。
対して、日本も今また、伝統的な古き良きものが再度光を浴びているが、それらは必要に応じ、「現代流に」デザインされ、使いやすさも加わり、商品化されている。
こんなふうに、日本そして世界では確実に、上質なライフスタイルが提案されてきているように思う。そしてそれを、「日本にいながらにして」感じることができる「インテリアライフスタイル」は、見応えがある。
ますます、来年も楽しみになってくる。
来年の開催は、09年6月3日(水)から5日(金)の3日間。今年以上に「こだわり」を持った人々、企業たちが訪問するだろう。また、ライフスタイルを提案する企業同士の熱い闘いも、見物。
ちなみに今年から「インテリアライフスタイル」の秋版ともいえる「interiorlifestyle living」と、「IFFT(国内最大家具見本市)」が合体し、「IFFT/interiorlifestyle living」としてリニューアル。新たな生活空間を提案するインテリア総合見本市となる。期間は、08年11月19日(水)から22日(土)の4日間開催予定。こちらにも要注目だ。(YUKIZO)