細部までこだわり、「三井ガーデンホテル四谷」
三井不動産グループが全国で展開する「三井ガーデンホテル」、その14番目の施設となる「三井ガーデンホテル四谷」がオープンした。 同ホテルは、シリーズ初の試みとして、女性スタッフが中心となり開発された。ホテル利用者のアンケートを参考に、設計やデザイン、運営方針等に至るまで「女性チーム」が指揮をとり、きめ細やかな心配り、快適性を求める最新設備、心のこもったあたたかいサービスをめざしたという。同ホテルを、「女性目線」で見学してきた。







「デザイン」から女性が関与
同ホテルは、JR・東京メトロ丸ノ内線・南北線「四ツ谷」駅徒歩3分。大手町や渋谷、表参道、銀座などに囲まれた東京の中心地で、ビジネスユースはもちろん、旅行者の利用も見込める。
建物は、敷地面積571.40平方メートル、延床面積4,570.20平方メートル、地下1階地上11階建て。地下1階にはワインバー&ショップ、1階にイタリアンレストランを誘致。ホテル客室は2~9階の121室。なお、10・11階は賃貸住宅が13戸設置されている。
プロジェクトに女性が関与するといえば、サービスに関するものを多くイメージするが、同ホテルでは女性が「デザイン」にまで携わっており、ほかの「女性プロジェクト」とは大きく異なる。
建物外観は、柔らかいイメージのベージュ。内装もベージュ系を基調に、ブラウン系の家具や備品を設置した。壁にはアートを飾るなど、温かみのある空間を演出しており、宿泊者はまるで家に帰ってきたかのように“ホッと”できそうだ。
シャワーブースとバスタブタイプを用意
バリエーション豊富な客室を見てみよう。
客室タイプは全部で5種類。シングルルームには、バスタブタイプとガラス張りのシャワーブースタイプ(バスタブなし)がある。
バスタブタイプの「モデレートシングル」(16平方メートル)では、デスクを広めに取った開放的な窓が特徴で、客室数は83室。利用料金は1泊1万5,500円(1名利用)となる。
シャワーブースタイプの「コンフォートシングル」(17平方メートル)は、15室用意。ホテルでは珍しい独立型の洗面台が特徴。浴室・洗面台・トイレ等の水回りを分離して配置。洗面台に設置した照明は、LEDとダウンライトにより、自然光に近い明るさを実現。ラックとともにスツールを設置し、ドレッサーとして使用することが可能となっている。このあたりの仕様は、まさに女性発のアイディアといった印象だ。1泊1万6,500円(1名利用)で利用できる。
上記タイプのダブルルームである「コンフォートダブル」(20.5平方メートル)は、浴室(バスタブ付き)とトイレを分離、上記の独立型洗面台を配したもの。最大の特徴は水回りのスペースとベッドのあるスペースの間に格子の引戸を設けることで、プライバシーに配慮。視線の抜ける格子を使用することで、閉塞感を感じさせない。利用料金は1万8,500円(1人利用)・2万1,500円(2名利用)。
このほか、モデレートシングルのツイン版「モデレートツイン(21.5平方メートル、1泊2万円<1名利用>・同2万3,500円<2名利用>)」と、3名での利用が可能な「ユニバーサルツイン(32.0平方メートル、1泊2万4,000円<1名利用>・同2万8,000円<2名利用>・同3万1,000円<3名利用>)」の設定もある。
快適性を追求しオリジナル商品も導入
ホテル滞在中に一番長い時間を過ごすベッド。ベッドの快適性が、ホテルの良し悪しを決定付けるわけで、同ホテルは寝具にもこだわった。マットレスは、ホテルベッドシェア全米No.1の実績を持つ「サータ社」の製品を使用。枕は枕専門会社「ロフテー社」と共同開発した三井ガーデンホテルズオリジナルの快眠枕を採用した。
また、26インチ以上の液晶大型テレビを標準装備。無料の高速インターネット、空気清浄機など充実の設備・仕様となっている。
注目したいのが、「レディースプラン」として提供されるアメニティの数々。サイズの小さい女性用の服をかけても、ずり落ちず広がらないオリジナルハンガーや、美顔器など、女性スタッフが実際に試し検討を重ねたグッズが揃えられている。
個人的に「これは便利!」と感じたのは、オリジナルのアクセサリートレー・卓上鏡。時計やネックレス・ピアスを置いてもゆとりのあるサイズなので、出掛けに絡まってイライラ~という事態も防げそうだ。
なお、女性を意識してセキュリティも強化。非接触型のカードキーにで、宿泊階に限り停止する防犯性の高いエレベーターを採用。8階は、女性のみの宿泊が可能なレディースフロアとした。
女性利用率5割をめざす
“女性スタッフによるホテル”を開発した経緯について(株)三井不動産ホテルマネジメント代表取締役社長の松本邦夫氏は「女性利用客の増加に合わせ、女性スタッフによる女性客を意識したプロジェクトを立ち上げた。実験的な取組みだったが、今後のホテル企画にも生かしていきたい」とのこと。
映画のレディースデーや女性専用車両、ランチのレディースセットなど、女性が優遇される機会はとても多い。世のサービスは少し過剰な気もするが「快適な思いをしたい」という女性のニーズには、逆らえないのも事実。
同ホテルには快適な時間を過ごさせてくれる、さりげない工夫がたくさん施されている。「全体に対する女性の利用率を4~5割にしていく」(同氏)という目標はすぐ達成されるのではないだろうかと記者は考えている。(中)
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