記者の目

2016/12/16

住まう人がイメージできるモデルルーム

「プラウド六本木」のモデルルームを見て思うこと

 マンション契約率が7割を割り込むことも増え、「マンション市況に陰り」と言われている昨今であるが、その一方で都内、特に都心中心部では“億ション”と言われる高額物件が今もなお供給が続き、いずれも好調な売れ行きを見せている。  当たり前だが、モデルルームは、ターゲットとする層に訴求するために、その人たちに“響く”ように作り上げられる。現在都心部で現在分譲されている高級物件の一つ、野村不動産(株)とHKRJ Roppongi特定目的会社が分譲する「プラウド六本木」(東京都港区、総戸数35戸)のモデルルームも、“寡黙”でありながら、そうした層に深く響くつくりとなっている。

モデルルームに用意されているジオラマ。壁のほとんど大開口の窓となっているのが、よく分かる
モデルルームに用意されているジオラマ。壁のほとんど大開口の窓となっているのが、よく分かる
モデルルームのダイニング。右手に見えるワインセラーは、高級なレストランでしか見たことがないが、数百万円するものらしい(ワインセラーは設置できないケースもあるそう)
モデルルームのダイニング。右手に見えるワインセラーは、高級なレストランでしか見たことがないが、数百万円するものらしい(ワインセラーは設置できないケースもあるそう)
アパレルの店舗と見間違うような、ウォークインクローゼット
アパレルの店舗と見間違うような、ウォークインクローゼット
キッチンも豪華。ミーレ社製食洗機、IHクッキングヒーターなどハイクラスな設備が備えられている
キッチンも豪華。ミーレ社製食洗機、IHクッキングヒーターなどハイクラスな設備が備えられている
共用廊下のフローリングも最高級品だ
共用廊下のフローリングも最高級品だ

◆駅から徒歩4分の立地で、わずか35戸

 都営地下鉄大江戸線、東京メトロ日比谷線「六本木」駅徒歩4分。東京ミッドタウンにもほど近い場所ながら、檜町公園・赤坂氷川神社にも徒歩3分ほどで行ける、利便性と住環境を備えた、都心ではなかなか得がたい立地に開発されるのが、「プラウド六本木」である。

 敷地面積約2,450平方メートル、鉄筋コンクリート5階建て。ここにわずか35戸を供給するという贅沢な企画だ。
 現在、販売センター・モデルルームは、六本木からほど近い麻布十番エリアに開設されている。

 モデルルームは大規模物件の場合、数タイプ用意されるのが通例だが、今回は1タイプのみだった。

 専有面積約222平方メートル、間取りで言うと2LDK+WIC+SICだが、その間取りイメージとはまったく違う、ホテルのような、非日常的な空間が創出されている。

 玄関を入ると上がり框も三和土もなく、室内につながるエントランスホールに直結する。正面には木目のチェリー材を使用した飾り棚、床は落ち着いた色目の天然大理石があしらわれている。隣接のシューズインクローゼットは、約5畳という広さ。ゴルフバッグなどの収納スペースも確保されている。

 リビングに入ると、約2,700mmという天井高に床から約2.3mのハイサッシを採用した窓に自然と目が奪われる。さらに壁が非常に少なく、この大きな開口により、より開放的な雰囲気が醸し出されている。


◆住宅設備も高級品を採用

 ウォークインクローゼットも、洋服類の“収納庫”のイメージとはまったく違う。中央にはガラストップの収納家具、壁三面には、内照式の照明。ブティックのような空間が仕上がっているが、決して浮いた感じはない。

 キッチンには、ドン・ブラハ社製の水栓、ミーレ社製食洗機、IHクッキングヒーターなどハイクラスな設備が備えられている。浴室は、国内外の高級ホテルに導入されているジャクソン社の浴槽だ。ちなみに共用廊下に用いられているフローリングも、皇居に用いられているものと同じ最高級品だという。

 「オプションが多いので、標準仕様だとイメージが変わるのではないか」などとも思ったが、担当者によると、これだけの高額物件の購入者ともなると、自身の求める空間の実現にも積極的で、オプション提案しているもの以外の資材・設備の使用を求める人が少なくないとのこと。モデルルーム以上の高級な仕上がりとなる部屋もあるのだろう…。

 平均坪単価は約900万円、平均130~140平方メートル、価格は2億円台~10億円を超えるという同物件。表だった広告活動などはしていないにもかかわらず、8割ほどが契約済み。モデルルームタイプの部屋も物件価格は約10億円を超えるが、すでに契約済みとのことだった。
 ちなみに、需要はほとんど国内で、海外投資家の引き合いはほとんどないという。

 モデルルームは、購入希望者にその物件をよく知ってもらうためのツールである。そして、引き渡し後には、その環境で満足して暮らしてもらうためにも、住環境に対する同じ価値観を持つ購入希望者層を、いわば“誘引”する必要がある。
 この物件は、都心の喧噪のエリアに居を構えつつも、落ち着いた空間の中で時を過ごしたい。そうした人をターゲットに据え、かつそうした人のニーズを実現し、モデルルームではそれを存分にアピールしているように思えた。同じ億ションでも、きらびやかな、派手さが際立つものもあるが、このモデルルームは、落ち着いた上質な空間が創り出されていた。

 一流品を用いながら、派手さを抑えて空間を創出している状況を見ていると、入居する人たちが明確にイメージできるようにも思えた。(NO)

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2017/11/22

「記者の目」更新しました

「“暮らしが楽しくなる”団地に再生」の記事を更新しました。

神奈川県住宅供給公社が昭和40年代に開発し、近年、半数近くの住宅が空き家となっていた「二宮団地」(神奈川県中郡)。同公社と地域住民が連携し“さとやまライフ”が楽しめる団地をテーマに、再生プロジェクトに取り組んでいます。その取り組みは、団地再生のみならず地域創生にもつながっているのだとか。具体的なプログラムを紹介しています。ぜひご覧ください。