不動産ニュース / 調査・統計データ

2002/8/9

三鬼商事、東京・大阪の7月度「オフィスビル最新状況」発表

 三鬼商事(株)は9日、2002年7月度の東京・大阪のオフィスビル最新状況レポートを発表した。

【東京】
 東京ビジネス地区の7月末時点の平均空室率は6.06%(対前月比0.14ポイント増)となり、10ヵ月連続の増加、6%を超える結果となった。これは、前月に比べ空室在庫の増加幅は縮小したものの、統廃合に伴う解約予告などの影響で約7,700坪の空室在庫が増加したため。
 大型新築ビルの募集については、依然引き合いが続いているものの、成約までに時間がかかるケースが多く、今年完成した大規模ビル、大型ビルで竣工時に募集面積を残す物件も多くなってきた。大型既存ビルにおいても、大手企業の統廃合の動きが依然として見られることから、ハイグレードなビルでも空室が増加。さらに、ここにきて外資系企業の勢いも弱まり、都心5区の市況の先行きに不透明感も強まってきており、ハイグレードなビルにおいても、募集条件の見直しを検討する動きが一部出てきている。そのため、今後、徐々に賃料調整などの動きが進めば、潜在需要は多いため、引き合いが増えるものと期待できる。
 また、千代田区の7月末時点の平均空室率は4.68%(対前年末比1.54ポイント増)。大手企業のリストラに伴う統廃合や、自社ビル建設に伴う大型解約などが続いたが牽引している模様。しかし、都心5区の中では、もっとも低水準に推移。一方で、7月末時点の平均賃料は20,686円で、前年同月比▲3.72%と800円も下げる結果となった。この下げ幅は都心5区で最も大きく、平均賃料の弱含みが鮮明になってきており、高額賃料ビルで募集条件の見直しが進んでいる。

【大阪】
 大阪ビジネス地区の7月末時点の平均空室率は10.04%(対前月比0.01ポイント増)と、前月とほぼ横ばいで推移。これは、季節的に大型テナントの移転の動きがさらに鈍ってきたため。テナント企業の統廃合の動きは、引き続き見られるものの、経費削減や設備改善をを目的とした借り換えの動きについては、ビルオーナーの引き留めや好条件が揃わないなどの理由により、移転計画が中止になるケースが多く見られる。
 一方で、ソフトオフィス需要や店舗需要については、依然として引き合いが強く、各種学校に置いても1階絡みを希望するなど、テナント企業の潜在的需要は多い様子。また、秋に向けてテナント誘致を再検討するビルが増加。好条件の空室は多いことから、各ビルが柔軟に対応することで、オフィス需要が顕在化するものと期待できる。
 また、北浜~永堀地区の7月末時点の平均空室率は11.99%(対前年末比0.55ポイント増)。昨年の堺筋エリアの中央大通北側で空室在庫が増加したのに引き続き、今年に入って南側でも解約などの動きが出てきたため、空室率が高止まりしている様子。
 北浜では、5月に大阪証券取引所ビル建て替え工事が着工。新ビルは、2004年11月末竣工の予定で、完成後は地下2階地上24階、延べ床面積約16,000平方メートル。4~23階部分がオフィス、地下1階~地上3階までが商業部分となり、北浜活性化の起爆剤となることが期待されている。

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