(社)不動産証券化協会は14日、2002年12月4日付けで社団法人として新たなスタートを切ったことを記念し、社団法人設立記念パーティーを行なった。
パーティーに先立ち、同協会理事長の岩沙弘道氏(三井不動産(株)代表取締役社長)以下9名の理事が出席のもと、設立記念記者会見を開催。直前の第1回理事会で決定した今後の活動内容などを発表した。
初代理事長に就任した岩沙理事長は、「不動産証券化市場は、不動産と金融が融合した新たな市場である。現在の当協会の最大の使命は、この市場を軌道に乗せること」と話し、今後は「不動産証券化の事業者育成のための活動」「投資家との信頼構築のための活動」「不動産の証券化がしやすい環境をつくるための活動」の3つの大きなテーマを掲げ、これに沿って活動していく方針を明らかにした。
具体的には、5月を目処に、2001年11月に不動産シンジケーション協議会として策定した自主規定「倫理行為基準」を改定する予定。新「自主行動基準」は、会員が投資家から信頼を得られるような行動となっているところが特徴で、投資家ニーズに合致した商品性の確保、適切な情報開示、投資家へに対する誠実な対応等について倫理規定を定めている。
人材教育プログラムの具体化や苦情相談、紛争解決支援の強化、情報のデータ整備なども主な施策として挙げており、特に情報データ整備については、会社四季報、株価インデックス、収益インデックスを盛り込んだ「J-REIT-VIEW」の作成、およびホームページへの掲載も検討中という。なお、6月には国際シンポジウムを開催する予定で、このほか一般投資家への説明会なども含めJ-REIT普及キャンペーンを展開する考え。
会見の席で岩沙理事長は、平成15年度税制改正による上場JREITに対する税制の大幅な軽減措置にも触れ、「こうした税制の優遇が、不動産証券化市場活性化の追い風になってくれるものと信じている」と述べた。また最後には、「不動産業界、金融業界が業種横断的に総力を結集し、不動産証券化市場を有益かつ活発な意味ある市場にしていこう」と、不動産証券化市場活性化への決意を表明した。
引き続き行なわれた設立記念パーティーには、不動産業界および金融業界を中心に800人近くが出席。扇千景国土交通省大臣、伊藤達也内閣府副大臣(金融担当)を筆頭に、多数の国会議員もお祝いに駆けつけた。祝辞を述べた扇大臣は、「この超低金利時代にあって、JREITは大変有望な市場。ゆえに、まずは一般への周知を図ることが最優先課題であり、関係者の方々にはますますご尽力いただきたい」と期待を寄せた。