三井不動産(株)は30日、「2004年3月期決算(単体・連結)」を発表した。
当期(2003年4月1日~2004年3月31日)単体の売上高は6,159億8,400万円(前期比1.6%増)、営業利益659億2,000万円(同▲2.8%)、経常利益629億2,200万円(同33.5%増)、当期純利益66億500万円(同▲50%)となった。
連結業績の売上高は1兆1,028億4,400万円(同1.9%増)、営業利益は1,092億4,600万円(同5.8%増)、経常利益は872億3,600万円(同14.0%増)、当期純利益は144億5,400万円(同▲43.4%)であった。
「賃貸」、「分譲」、「仲介・販売受託・コンサルティング」、「管理受託」といった主要セグメントの増収により対前期比204億円プラスの1兆1,028億円。営業利益は、主に「仲介・販売受託・コンサルティング」、「管理受託」におけるフィー収益の増益により、同59億円増の1,092億円を達成した。経常利益は営業利益の増益に加え、金融収支の改善により過去最高益となる872億円(同107億円)を記録した。これは13期ぶりの最高益更新となる。
特別損失として販売用不動産等評価損642億円を含む692億円を計上した結果、当期純利益は対前期比110億円の減益である144億円にとどまった。
同社では2003年5月に2003年度からの6年間を対象とするグループ長期経営計画「チャレンジ・プラン2008」を策定、総資産の増加を伴うことなく利益・キャッシュフローを増大させることにより、有利子負債削減・株主資本の充実を推進、中長期的に安定した成長を実現するための経営基盤整備を進めている。近年では同社グループを取り巻く経営環境が大きく変化、オフィスビル・商業施設のテナント、居住物件の購入者・入居者のニーズも多様化・高度化し、さらに個人投資家や期間投資家の投資ポートフォリオにおける不動産のポジションの高まってきている。そのため、改めて、「顧客志向の経営」、「ビジネスモデルの革新」「効率性の高いグループ経営」の3つのストラテジーを掲げ、これら遂行していくことで、「チャレンジ・プラン2008」にある「不動産に関するソリューションとサービスの提供を通じた継続的な利益成長」を実現していく、としている。
なお次期(2005年3月期)については、単体ベースで売上高5,980億円、営業利益690億円、経常利益555億円、当期純利益265億円を、連結ベースで売上高1兆1,050億円、営業利益1,120億円、経常利益910億円、当期純利益455億円を見込んでいる。
また、有利子負債について「今期は予定以上に圧縮することができたが、次期はさらに減少させる予定であり、前期比415億円減の1兆2,800億円を見込む」(経理部長・浅井裕史氏)としている。