不動産ニュース / その他

2004/9/22

2004年基準地価公示に業界・各社がコメントを発表

 国土交通省より22日に発表となった「2004年都道府県地価調査(基準地価)」結果について、業界団体・各社のトップが以下の通りコメントを発表した。

■(社)全国宅地建物取引業協会連合会 会長 藤田 和夫氏

 平成16年都道府県地価調査は、全体では13年連続の下落となったものの、都心部を中心に強まった下げ止まり傾向が他の地方圏の中心都市にも一部現れ、3月の地価公示で見られた“地価動向の変化の兆し”が鮮明となったことは注目できる。  私はここ数年、「資産デフレの解消なくして景気回復なし」とスローガンを掲げて活動してきたが、今回の地価の下げ止まり傾向を歓迎するとともに、これが全国的に波及し、資産デフレの解消の端緒となることを期待したい。  資産デフレを解消し、真に日本経済を自立回復に導くためには、現在好調な一次取得者を中心とした都心部のマンション需要に加え、買い換え層も含んだ全体的な底上げおよび地方圏での需要の掘り起こしが重要で、中古住宅市場活性化のための税制度を早急に構築すべきである。国土交通省の平成17年度税制改正要望にも盛り込まれているが、昨年から、昨年からの検討項目となっている中古住宅に係る特例措置における築後年数要件の撤廃の実現は不可欠である。また、今年末で適用期限切れを迎える現行の住宅ローン控除制度の延長及び拡充も重要であり、是非とも実現を強く望む。  住宅投資は、経済全体への波及効果が高く、幅広く即効性を有していることから、デフレを克服し日本経済を本格的な回復に導くためにも、中古住宅市場を活性化し、その効果が全国的に波及するような土地住宅税制のより一層の改善を望む。

■三井不動産(株) 代表取締役社長 岩沙 弘道氏

 全国平均で下落幅は縮小しているものの、13年連続の下落であり、引き続きわが国が資産デフレから脱却できていない状況を示しているが、東京だけでなく大阪・名古屋・札幌・福岡でも上昇地点が現れ、都心部等の需要が旺盛なエリアの地価は底打ちしたと言える。これは土地税制の改革や都市再生の推進など、政策面の効果が生じてきたとともに、JREITの拡大等不動産証券化の進展により不動産投資市場が活性化した表れであると考える。  不動産の価格について収益還元による見方が定着し、経済活力そのものを如実に反映するようになったと考えられることから、地価の安定化のためには、民主導による景気回復を確実にするとともに、都市再生を一層推進する必要がある。また、土地の保有コストを軽減し需要を喚起するために、平成16年度税制改正で導入された条件による固定資産税の負担軽減制度の活用について、各自治体による早急な対応を期待したい。その中で、われわれディベロッパーも街に賑わいを創出し、付加価値を高めるプロジェクトを推進することにより、都市の魅力向上のために自らの使命を果たしてまいりたい。

■三菱地所(株) 取締役社長 高木 茂氏

 全国平均では地価は引き続き下落しているが、東京都区部を中心に下げ止まりの傾向がさらに強まった。その傾向は、近接地域にも広がりつつある。  商業地において、国内外のファンドやリートの優良物件に対する買い意欲が依然として強いこと、各所で再開発が行なわれている収益性を向上させていること、都心部を中心に海外ブランド等の出店が続いていること等が下げ止まりの要因になっている。また、ファンドやリートが取得する対象は、地方都市にも及んでおり、地方でも高値で取り引きされる物件が増えてきた。  住宅地も、大規模なマンション適地は競合となるケースが多く、都心部で企業が手放す社宅跡地のような優良地は高値で取引されている。首都圏のマンション供給は、依然高水準であるが、需要は底堅く、中古マンションの取引価格も回復傾向がでてきた。  現在、地価が下げ止まったり、反転している箇所は、再開発によって収益性を向上させているエリアや、街並みがすぐれていたり、賑わいがあったりと将来にわたって収益確保が期待できるエリアとなっている。これは、土地の価格が収益性によって決定されるようになってきた証左である。先週、旧国鉄本社跡地で「丸の内オアゾ」がオープンしたが、大勢の方々にお出でいただきたいへん賑わっている。当社は引き続き丸の内再構築を推進し、丸の内地区のさらなる価値向上に努めていく。  このデフレ脱却の機運を逃さないためには、土地の収益性をさらに高めるような施策が必要であり、収益性の付加となる固定資産税・都市計画税等のさらなる軽減を強く要望する。

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