定期借家推進協議会は25日、第8回通常総会を開催。06年度事業計画案・収支予算案等を承認・可決した。
法施行後6年が経過した定期借家制度だが、その普及率は4.7%にとどまっている。こうした中で、同協議会は制度普及に向けたプロモーションやより使いやすい制度への改善に向けた提言などを行なってきた。
会見で世話人・藤田和夫氏は「定期借家制度がなければ、現在の証券化市場の拡大も、JREITの普及もありえなかった。だが、いかんせん啓蒙活動が足りなかったと反省している。今年度からはより真剣に取り組みたい」と話した。定期借家制度を中心とした借地借家法の改正と、会員増強策も含めた制度普及のためのプロモーションの2点に全力をあげていくとしている。
昨年度まで時限的に設置してきた「定借改正特別委員会」の業務を引き継ぐ常設委員会「定期借家企画普及委員会」を新設。同委員会では、法改正のあり方についての調査研究、同制度の普及方策や活用方策、普及促進事業の実施などを検討していく。委員長には、定借特別委員長の福井秀夫氏(政策研究大学院大学教授)がそのまま就任した。
また、総会終了後には福井氏による研究報告が行なわれた。福井氏は「定期借家制度が創設したころは地価も家賃も下落基調にあり制度の意義が見えづらかったが、現在は制度のメリットがより明確になってきた。都市再生、投資市場の活性化、空き家の有効利用など、定期借家にはさまざまな活用手法がある。さらなる普及のためには、更新手続きだけでできる定期借家制度の創設、普通借家からの切り替え容認、正当事由の客観化といった見直しが必要だ。今後は、みなさんの上手な活用事例などを紹介していくことで、制度普及に向け世論を喚起していきたい」などと語った。