不動産ニュース / 調査・統計データ

2007/7/5

「東西線」と「都営新宿線」、マンション市場では「東西線」の圧勝/トータルブレイン調査

 分譲マンション事業の総合コンサルティングを手掛ける(株)トータルブレイン(東京都港区、代表取締役社長:久光龍彦氏)はこのほど、「並行路線沿線市場シリーズ 第5回 東京メトロ東西線&都営新宿線」と題したレポートを作成した。都心から一定距離を空けて並行して千葉方面を結ぶ両線のマンション市場の相違点と共通点、現況と今後の市場見通しなどについて考察したもの。

 両線の1995年~2006年の新規分譲マンション市場を見ると、東西線(「門前仲町」駅~「西船橋」駅)は、平均年間供給量は1,917戸、平均価格3,965万円、平均専有面積 71.78平方メートル、平均坪単価183万円、初月成約率は76.7%だった。これに対し、都営新宿線(「「森下」駅~「本八幡」駅)は、平均年間供給戸数が1,560戸、平均価格は 3,935万円、平均専有面積70.64平方メートル、平均坪単価184万円、初月成約率71.4%となった。注目すべきは、「本八幡」駅を除き全て都内を走る新宿線と比べ、「浦安」駅以東が千葉県となる東西線のほうが、平均価格と初月契約率が上回っている点。特に東西線は、06年~07年前半の1年半で20%近い価格上昇となっているにも関わらず、売れ行きは70%後半と好調をキープ。人気の高さを示している。

 また、中古成約単価をみると、東西線が坪あたり154万円、都営新宿線164万円と新宿線がやや上回ったが、東西線は開発のほとんど見られない「原木中山」駅を除くと160万円と新宿線に拮抗。さらに、95年~2000年築マンションの過去1年間の取引件数でも、東西線98件、新宿線70件と上回っている。

 これら市場動向を分析した結果、同社は「輸送能力、駅力の高い都心駅の数、街の歴史の成熟度や沿線イメージなど、総合的に東西線が新宿線より上であり、その沿線力の差が実質的には高値市場にもかかわらず、東西線が好結果を出している理由」とした。

 また、今後の分譲単価については、05年から供給戸数が大幅ダウンし、需給バランスも良いことから、両線とも年間15%程度の価格上昇を予想。「特に新宿線の今まで抑えられていた江東・江戸川区エリアでの大幅な上昇が予想される」としたが、「都営新宿線は、沿線力・人気においては東西線より落ちる上、売れ行きに関してもやや低下傾向が見られており、今後の市場の上昇には注意が必要」と警鐘を鳴らしている。

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