不動産ニュース / 政策・制度

2008/12/15

長期優良住宅に過去最高の所得税控除/09年度税制改正大綱

 政府与党は12日、「平成21年度税制改正大綱」を発表した。

 各項目ごとの主な改正内容は以下のとおり。

■住宅税制関係

 (1)住宅ローン減税の適用期限を5年間延長するとともに、(2)長期優良住宅については控除期間10年、控除率1.2%(平成24年、25年居住の場合は1.0%)とし、最大控除可能額を過去最高水準を上回る600万円に引き上げるほか、性能強化費用相当額の10%に相当する金額をその年分の所得税から控除、控除しきれない金額がある場合には、翌年分の所得税額から控除する制度を創設する。  さらに、(3)既存住宅に、省エネ改修工事やバリアフリー改修工事など、特定の改修工事をした場合、工事費用(もしくは標準的な工事費用のどちらか少ないほう)の10%に相当する金額をその年分の所得税額から控除する。また、(4)既存住宅に耐震改修をした場合の所得税額の特別控除を5年延長、対象範囲・金額を拡充する。  (5)不動産取得税について、住宅および住宅用地の取得に係る税率(本則4%)を3%とする特例措置の適用期限を3年延長する。  

■土地税制関係

 (1)2009年、2010年に取得する土地を5年超所有して譲渡する際の譲渡益について、1,000万円の特別控除制度を創設するほか、(2)事業者が同じく土地を取得した場合、その土地を先行取得資産としてその後10年間に売却した他の土地の譲渡益課税を繰り延べることを可能とする制度を創設する。  また、(3)土地の売買に係る所有権移転登記等、登録免許税の軽減措置の現行税率を2年間据え置く(平成23年度からは段階的に引上げ)。 (4)事業用の長期保有土地等の買換え特例の適用期限を3年間延長するなど、各種土地税制の延長・拡充等を行なう。  さらに、(5)09年、10年までの間、土地にかかる固定資産税の負担調整措置の仕組みを継続するとともに、税負担が大幅に増加する商業地および住宅用地について、地方公共団体の条例により税額の上昇を抑制できる制度を創設する。

■不動産証券化関係

 (1)平成21年4月1日以後に引き上げるとされていた特定目的会社が資産流動化計画に基づき特定不動産を取得した場合等の所有権移転登記に係る登録免許税の軽減措置を1年間据え置くほか、不動産取得税の課税標準の特例措置の適用期限も2年延長する。また、(2)投資信託により取得する一定の不動産および投資法人が取得する一定の不動産に係る不動産取得税の課税標準の特例措置の適用期限を2年延長する。  また、(3)特定目的会社等の課税の特例について、要件を判定する場合に、原資産を不動産とする特定目的会社が発行する特定社債、特定目的借入れ等を証券化する特定目的会社を機関投資家として判定するとしたほか、(4)支払い配当額について、「配当可能所得金額の90%」相当額を超えていることとする要件を、「配当可能利益の90%」相当額とした。

■その他

 (1)優良賃貸住宅の割増償却制度における高齢者向け優良賃貸住宅に係る措置について割増償却率を拡充したうえ、適用期限を2年間延長するほか、(2)高齢者向け優良賃貸住宅に係る固定資産税の軽減措置について、対象に政府の補助を受けて整備する高齢者向け優良賃貸住宅も追加する。  また、(3)特定再開発建築物等の割増償却制度について、市街地再開発事業に係る措置の対象となる建築物を地上4階以上の中高層耐火建築物が建築される施行地区内における施設建築物に限定したうえで、適用期限を2年間延長する。  さらに、(4)不動産の譲渡に関する契約書等に係る印紙税の税率の特例措置の適用期限を2年延長する。

■中小企業対策関係

 (1)中小法人等の800万円以下の所得金額に対する法人税の軽減税率を時限的に2年間、現行の22%から18%に引き下げるとともに、(2)現在適用が停止されている欠損金の繰戻し還付を復活することにより、赤字に陥った中小企業の資金繰りを支える。

 なお、税制改正大綱の詳細は自由民主党ホームページを参照のこと。
 

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