不動産ニュース / その他

2008/12/15

「平成21年度税制改正大綱」に業界団体・各社がコメント発表 

 政府与党が12日発表した「平成21年度税制改正大綱」ついて、業界団体・企業のトップから以下のとおりコメントが発表された。


■(社)不動産協会 理事長 岩沙 弘道氏

 世界的な金融危機、実体経済の急激な悪化のなか、住宅・土地税制で極めて思い切った措置が講じられたことを高く評価したい。ご尽力いただいた関係各位に対して、厚く御礼申し上げたい。
 住宅税制では、住宅ローン減税の過去最大規模への拡充、住民税からの控除による実効性の確保など大きく踏み込んでいただき、中堅勤労者を中心とする住宅購入者を力強く支援することになると思う。また、長期優良住宅や省エネ・バリアフリー改修の投資減税の創設、住宅の登録免許税の軽減措置の延長など、内需拡大の柱としての住宅投資の活性化や居住水準の向上につながることを、大いに期待したい。
 土地税制では、事業用資産の買換え特例の3年延長、土地売買に係る移転登記等の登録免許税の据置き、個人・法人の土地譲渡課税の特例創設、住宅・土地の不動産取得税の特例の延長、都市・まち再生促進税制の延長など、これらは土地取引の活性化、都市・地域の再生に寄与するものとして、高く評価できる。
 以上は、国民経済・国民生活に密着する重要な改正内容であり、年度末までの改正法案成立に向け、与野党を挙げて取り組んでいただきたいと思う。
 今回の税制改正を踏まえ、不動産業界としても、住宅・土地市場の活性化、都市・地域の再生によって、わが国経済が内需主導の回復軌道に乗るよう努めてまいりたい。


■(社)全国宅地建物取引業協会連合会 会長 伊藤 博氏

 平成21年度税制改正には、厳しい財政事情や米国のサブプライムローン問題に端を発した未曾有の経済危機の下、早期より関係各方面に対して要望活動を展開してまいりました。
 その結果、今回の税制改正大綱では、住宅ローン減税の大幅な拡充、各種特例措置の適用期限延長をはじめ、土地売買の所有権移転登記に係る登録免許税の軽減税率据置に加え、土地譲渡益課税の特例措置の創設等、多大な成果を得ることができました。
 これは、本会が早期から「土地住宅税制研究会」や関連機関で鋭意検討し、会員が一丸となって要望活動した賜物であります。また、中小不動産業者の開発事業における融資制度やフラット35の拡充による住宅取得者への支援策が検討されていることも、我々の要望にご配慮いただいているものとして大きく評価しております。
 これらの税制改正により、不動産流通市場の活性化が図られ、日本経済が危機的状況を脱することを期待いたします。


■(社)不動産流通経営協会 理事長 岩崎 芳史氏

 社会保障費維持のための安定財源確保や、国内景気回復のための財政上の諸問題に直面するなか、今般発表された税制改正大綱は格別の配慮がなされ、当業界にとっても不動産流通市場の活性化を図る観点から、大いに期待できる内容であると考える。
 特に、当協会の最重点要望事項でもあった「住宅ローン減税制度」において、10月末の追加経済対策に沿って過去最大規模並みへの拡充が図られ、住民税からも税額控除が認められたことは、低迷する住宅市場の回復に好影響を及ぼすものと期待される。
 土地の売買等による所有権移転登記に係る登録免許税の特例措置について、現行税率を2年間据え置く措置がなされたほか、不動産取得税等流通課税の特例等の延長についても要望通り実現が図られた。
 住宅の耐震改修工事促進税制の延長や、長期優良住宅建設促進のための所得税控除、省エネやバリアフリーのための住宅リフォーム支援のための所得税控除の仕組みの新設は、住宅の品質向上および流通市場の活性化への支援策として意議があると考える。
 また、土地長期譲渡所得の1,000万円控除制度等の創設により、不動産取得促進に一定の効果が上がることに期待したい。
 最後に、改めて、今般の税制改正にご尽力いただいた、関係の国会議員の諸先生方ならびに国土交通省など関係省庁の皆様に厚く感謝申し上げたい。


■(社)日本ビルヂング協会連合会 会長 髙木 丈太郎氏

 今回の税制改正大綱は、未曾有の世界的な経済危機の中で、内需拡大の観点からわが国不動産市場の活性化を図ろうとする与党の意気込みが感じ取られる内容で、高く評価している。
 ビル経営の観点からは、商業地における固定資産税に係る条例減額制度の延長をはじめとして、当連合会の要望事項がほとんど盛り込まれており、満足している。


■(社)不動産証券化協会 理事長 岩沙 弘道氏

 グローバルな信用収縮によって、Jリートや不動産プライベートファンドをはじめとする不動産証券化市場は収縮を余儀なくされている。
 このような状況下、平成21年度税制改正大綱において、投資法人等の不動産所得税ならびに登録免許税の軽減措置の延長、導管性要件の判定式の見直し、投資口に係る譲渡益・配当所得に対する軽減措置の延長、小額投資の非課税措置の導入、投資法人の合併に係る合併交付金に取り扱い等が措置されたことは、高く評価したい。
 特に、導管性要件の判定式の見直しは、税会不一致による導管性破綻リスクの回避に寄与するものであり、投資法人の安定性の強化並びに投資家の信頼性向上の観点から、非常に高く評価したい。さらに投資法人の合併に係る合併交付金の取り扱いが新たに措置されたことは、適正綱市場再編を通じたJリート市場の今後の発展につながる重要な措置である。
 また、本日、銀行への公的資金の予防的注入を可能にする「金融機能強化法改正案」が成立した。さらに、不動産市場活性化のための「緊急対策」としてJリート向けの新たな融資制度の創設が検討されている。このように金融不安を払拭するための施策が機動的に打ち出されることは大変望ましいことであり、速やかな実行を期待している。
 我々は、今後も不動産証券化市場の健全な発展を通じて、都市・地域の再生、ひいては日本経済の国際競争力・成長強化に積極的に寄与するとともに、Jリートやプライベートファンドを、個人や年金等機関投資家の健全な投資対象として、今まで以上に信頼できる運用商品へと育てていくことを目指しており、引き続き税制上の迅速な対応や、経済情勢の変化に対応した機動的で実効性の高い施策を求めていきたいと考えている。


■三菱地所(株) 取締役 木村 惠司氏

 世界的な金融危機が実体経済に影響を与え、わが国の経済も急速に悪化するなか、住宅・土地税制において、たいへん充実した措置が講じられたことを高く評価したい。
 過去最大規模に拡充された住宅ローン減税は、住宅税からの控除による実効性も確保された。低迷する住宅市場において、潜在的な購入ニーズが刺激されることを大いに期待したい。そのほか、長期優良住宅、省エネ・バリアフリー改修に対する投資型減税制度の創設、事業用資産の買換え特例の延長、個人・法人の土地譲渡課税の特例創設、土地の売買等に係る登録免許税の現行税率の据え置き、土地・住宅の不動産取得税の特例の延長、都市・まち再生促進税制の延長等も、住宅投資、不動産取引、不動産の有効活用を活性化させ、喫緊の課題である内需換気に資するものとして高く評価できる。
 国際的な都市間競争は激しさを増しており、将来を見据えて都市の魅力・競争力を向上させていくことは日本経済にとって極めて重要な問題と認識している。当社も、丸の内をはじめとした開発事業を通じて、わが国経済の発展に向けて努めていきたい。今後さらに、都市・地域の再生を促進すべく、不動産市場・Jリート市場への円滑な資金供給に資する金融支援制度の創設等もお願いしたい。

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