不動産ニュース / 開発・分譲

2011/3/1

東京・二子玉川にリチウムイオン蓄電池付きマンションを完工/伊藤忠都市開発

「クレヴィア二子玉川」の外観。建物の高さが15m以下に規制される第2種風致地区にあるため、太陽光をさえぎる建物が周囲になく、屋上に設置された太陽光発電システムの発電効率を高められるという
「クレヴィア二子玉川」の外観。建物の高さが15m以下に規制される第2種風致地区にあるため、太陽光をさえぎる建物が周囲になく、屋上に設置された太陽光発電システムの発電効率を高められるという
駐車場内に設けられた蓄電池システム。太陽光発電による電力を共用部のLED照明に電力を供給し、さらに余剰電力が生じた場合はEV充電器にも振り分けられる
駐車場内に設けられた蓄電池システム。太陽光発電による電力を共用部のLED照明に電力を供給し、さらに余剰電力が生じた場合はEV充電器にも振り分けられる
電気自動車用充電器。敷地内に2台分設置されている
電気自動車用充電器。敷地内に2台分設置されている
カーシェアリングには三菱自動車製EV「i-MiEV(アイミーブ)」を導入した
カーシェアリングには三菱自動車製EV「i-MiEV(アイミーブ)」を導入した

 伊藤忠都市開発(株)は1日、このほど完工したリチウムイオン蓄電池システムおよび電気自動車(EV)カーシェアリングを導入した新築分譲マンション「クレヴィア二子玉川」(東京都世田谷区、総戸数51戸)を報道陣向けに公開した。

 同物件は、東急田園都市線・大井町線「二子玉川」駅徒歩17分、東急大井町線「上野毛」駅徒歩14分、「等々力」駅徒歩15分に位置。敷地面積2,015.92平方メートル、建築延床面積4,333.39平方メートル、鉄筋コンクリート造地上5階建て。

 今回導入されたシステムは、伊藤忠商事(株)による「クリーンエネルギーを活用した低炭素交通社会システムの共同実証プロジェクト」において(株)日本エコシステムが開発を進めている太陽光パネルと、米・EnerDel lnc製蓄電池を活用したもの。太陽電池モジュール60枚(約10kw)により昼間発電した電気を同物件駐車場内に設置された車載用リチウムイオン蓄電池に貯め、夜間の共用部のLED照明に使用、CO2削減に取り組む。

 伊藤忠商事では、車載用リチウムイオン電池を2次利用するビジネスモデルの構築をめざしており、同物件では5年間の予定で実証実験を実施。太陽光パネルから蓄電池への充電量、蓄電池からマンション共用部への消費量および電池の劣化情報をリアルタイムで監視してデータを蓄積、システムの向上に役立てていく。 

 また、EVカーシェアリングには、三菱自動車のEV「i-MiEV(アイ・ミーブ)」を採用、居住者が共同で利用できる。運営にあたってはカーシェアリング事業を手がける(株)アスクのICカードを利用した課金システムを導入する。

 説明にあたった同社執行役員経営企画部長の長田邦裕氏は「リチウムイオン蓄電池付きの新築分譲マンションは業界初の試み。蓄電池システムは間違いなく普及していくと考えており、実証実験に大いなる関心を持っている」などと述べ、今後の検証結果に期待を寄せた。
 
 なお、同物件の間取りは3LDK~4LDKで、3LDKが中心、専有面積67.48~100.47平方メートル。販売価格は4,300万~8,000万円台、最多価格帯は4,000万円台後半で、全戸完売している。

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