シービーアールイー(株)(CBRE)は9日、CBREグローバルリサーチが2012年1月に公表した最新のレポートに基づき「グローバル不動産市場の見通し2012」を発表した。
12年の不動産投資市場の見通しについて、主要国では深刻な欧州の債務問題の影響から先行き不透明な状況が続き、経済活動が停滞しているため、テナント企業は今後の移転先の決定にあたって、ますます慎重になるとし、結果、需要は11年程度にとどまると予測した。
こうした中、同社は、欧米の投資家が確実な投資先として、一等地の優良物件からなるコア投資市場に集中し、より防衛的な投資戦略をとる傾向に向かうと分析。また、多くの市場で融資の引き締め傾向が続いている関係で開発が限定的であり、新規供給が不足していることも、こうした一等地の既存優良物件のパフォーマンスをさらに押し上げる要因となると予測した。
一方、これまでローカルな投資家の強い積極的姿勢に支えられ、先進国経済とは一線を画した強い経済を示し続けてきたアジアの市場においても、中国経済の減速と欧米の経済リスクの影響に対する懸念が増加して、投資家はより用心深い姿勢をみせていると指摘。同社では、アジアは、欧米と比較して依然成長市場であり、先行きが明るいことには変わりはないが、今後はこれまでのような中国経済拡大に依存した独自のアジア成長シナリオ感は薄れ、先進国経済をはじめとするグローバルな動向に、より左右されやすくなっていくことは免れないと分析している。
詳細は同社ホームページの「Global Real Estate Market Outlook 2012(英語版)」を参照。