不動産ニュース / その他

2013/1/4

「2013年 年頭挨拶」(各社)【1】

三井不動産(株) 代表取締役社長 菰田正信氏
三菱地所(株)取締役社長 杉山博孝氏
住友不動産(株)代表取締役社長 小野寺 研一氏
東急不動産(株)代表取締役社長 金指 潔氏
東京建物(株)代表取締役社長 佐久間 一氏
三菱地所レジデンス(株)取締役社長 八木橋 孝男氏
(株)大京代表執行役社長 山口 陽氏
森ビル(株)代表取締役社長 辻 慎吾氏
三井不動産リアルティ(株)代表取締役社長 竹井英久氏
東京建物不動産販売(株)代表取締役社長 倉重喜芳氏
大和ハウス工業(株)代表取締役社長 大野直竹氏
旭化成ホームズ(株)代表取締役社長 平居正仁氏
三井ホーム(株)社長 生江隆之氏
ポラスグループ代表 中内 晃次郎氏
トヨタホーム(株)取締役社長 森岡仙太氏
パーク24(株)代表取締役社長 西川光一氏

(順不動)

■三井不動産(株)代表取締役社長 菰田正信氏

2012年は、消費増税を柱とする社会保障・税一体改革関連法案成立や領土問題に端を発した近隣諸国との緊張感の高まり、新政権の発足など、今後の国民生活や経済活動の動向を左右する大きな出来事がありました。一方、国内経済は、復興需要の下支えや個人消費の伸びにより、前半は順調な状況でしたが、後半に入ると、世界経済の停滞、日中関係の悪化などによる輸出の低迷、内需の停滞もあり、後退局面に入りました。

2013年の国内経済は復興需要や輸出の持ち直しなどのプラス要因はあるものの、本格的な回復となるためには、新政権が長期安定政権として、「決められる政治」を実行できるかどうかにかかっています。

新政権は、消費税増税に合わせて、給付の重点化・効率化を図るとともに、歳入増のために経済成長を実現する実効性のある政策を実行することが必須の課題となります。例えば、TPPへの参加は、企業の国際競争力を強化するというだけではなく、シェールガスの輸入というエネルギー政策上の観点などでも重要です。また、企業が国内における生産活動を継続できる環境を整えるという点で、中長期的なエネルギー政策の構築は、喫緊の課題です。

日本には、世界に誇れる高い技術や知恵、そしてそれを成果に結びつける粘り強さや組織力があります。今こそ「日本の強み」を再認識し、もう一度「日本の輝き」を取り戻す、そのスタートの年にしていかなければならないと思います。

当社グループにおいては、昨年戦略を定め第一歩を踏み出した中長期計画「イノベーション2017」の歩みをより確実にし、描いた戦略を目に見える形にしていく年になります。我々が目指し、実行している戦略を目に見える「かたち」にすることによって、足らなかった部分や次に目指さなければいけないことも見えてきます。


■三菱地所(株)取締役社長 杉山博孝氏

2013年の日本経済は、昨年末の政権交代以降、円安・株価回復傾向等、徐々に明るい兆しが見えつつある。オフィス賃貸市場においても、空室率改善・賃料反転の傾向が見受けられ、分譲マンション市場も今後供給圧力の高まりやローン金利上昇の可能性も少なく、引き続き堅調に推移することが予想される。

今年は中期経営計画(2011年度~2013年度)の最終年度であり、長期経営計画「BREAKTHROUGH 2020」の達成に向けても、非常に重要な年である。各事業グループがそれぞれ、いま一度自分達の強みを整理し、着実に中期経営計画達成への態勢を整えて欲しい。

またそのために、「BREAKTHROUGH 2020」に掲げた5つの“Value”
(1)Innovative
(2)Eco-conscious
(3)Customer-oriented
(4)Global
(5)As one team
を再確認するとともに、とりわけ、“Customer-oriented”の意味を考え、社内の論理で良いと思ったことでも、本当に顧客から求められているかを問い直していただきたい。


■住友不動産(株)代表取締役社長 小野寺 研一氏

新年明けましておめでとうございます。

昨年末に3年余りの民主党政権に終止符が打たれ、新政権が発足しました。これまでの閉塞感に打って変わり、高い期待感が台頭しておりますが、景気の先行きは依然として不透明であることに変わりはありません。新政権には日本経済立て直しのため、実効性のある政権運営を期待したいと思います。

今年は、当社グループにとっても節目の年です。この3月で終了する「第五次中期経営計画」は、3期連続の経常増益がほぼ確実な情勢で、目標とした「増益路線への復帰」を達成できる見通しとなりました。

4月からスタートする「第六次計画」では、積み残しとなっている「過去最高益の更新」を果たし、その先の成長継続を確固たるものとしなければなりません。そのためには、高い目標を掲げ、これまでのやり方を改革するとともに、目標達成に向け、全員が「結束」することが不可欠です。

今年も、当社の原点「快活な気風」を実践し、一丸となって頑張ってまいりましょう。


■東急不動産(株)代表取締役社長 金指 潔氏

世の中を見渡すと、年末には大きな政権交代があり、急激な株価の上昇、円安が進行し、景気が回復基調になりつつあるが、日本経済のファンダメンタルズを考えると依然として予断を許さない状況にあると感じている。

当社では、現中期経営計画において、将来のあるべき姿の実現に向け、マンションブランドの再構築、都心での商業施設開業、REIT事業との連携による循環型再投資モデルの確立、運営力強化によるお客様満足度の向上を図るなど、各事業に磨きをかけるとともに、お客様に必要とされる事業価値の創造に努めてきた。

そして、現中期計画の最終年度に当たる今年は、基盤整備の総仕上げに注力するとともに、将来に向け「守りから攻めに」転じるステージに移行していく年でもある。渋谷の再開発においては、世界に誇れる都市の実現を目指し、東急グループ一体となり、再開発事業に着手していく。また銀座においても立地のポテンシャルを活かし、日本を代表する商業施設に仕上げていきたい。

海外においては、長年に渡る現地での実績を基に、インドネシアにおいて設立した新会社を通して、都市開発、不動産運営事業など、事業機会の創出に取り組んでいく。私たちはより一層大きな飛躍に繋げるべく「志と覚悟」をもって、お客様の目線で、社員一同一丸となって挑戦し続けてまいりたいと考えている。


■東京建物(株)代表取締役社長 佐久間 一氏


欧州債務危機の影響や周辺諸国との関係等、わが国経済は様々な課題に直面している。こうした中、12月の衆議院総選挙により政局も大きく変わり、景気回復への足取りは依然として不透明な状況が続いている。

当社にとって今年はグループ中期経営計画の2年目の年となるが、引き続き、グループ各所での自己変革を通じて収益力と財務体質の強化を徹底的に進めていく。

そのために役職員は、(1)役職員一人ひとりが役割を成し遂げたうえでチームとして機能する「総合力」の発揮 (2)常に現場に立ち戻り、プロとしての商品・サービスを提供する「現場主義」の徹底 (3)これまでの仕組み・プロセスの見直しや徹底的な議論に裏打ちされた「スピード」感ある業務推進、これらの実践が不可欠である。

当社は116年余に亘る歴史の中で、過去に何度も苦難な時期を乗り越えてきた経験とノウハウがある。それらを活かしつつも、前例主義にとらわれることなく新たらしいことにも果敢に挑戦していくことにより、この厳しい時期を乗り越え、より大きく飛躍する為の基盤強化を着実に行っていく。


■三菱地所レジデンス(株)取締役社長 八木橋 孝男氏

2012年は、国内外において首脳交代や選挙があり、あるいは欧州金融危機の動向等に予断を許さない状況が続いた。また一昨年の東日本大震災以降、我が国のエネルギー政策がどうあるべきかという本質的な問題が提起され続けている。経済成長の鈍化、あるいは格差の拡大といった問題も表面化してきている中、新内閣の強力なリーダーシップによる実行力に期待したい。

2013年は、工事費高騰や労務事情の逼迫が懸念され、さらには消費税率改定について、住宅取得にどのような緩和措置あるいは経過措置が打ち出されるのかを注視する必要がある。これらに対し、所要の手当てを果断に行い、機動的に対応していかなければならない。

2013年度は、三菱地所グループの中期経営計画(2011年度~2013年度)の最終年度であり、当社が厳しい環境下で巡航速度での利益計画を着実に達成するためにも、
(1)「お客様目線での品質の確保」
少子高齢化の成熟化社会を迎えるわが国において厳しい競争を勝ち抜くために、商品の品質、サービスの品質、管理の品質が継続的に高いレベルで洗練され、高いお客様評価を得る品質を確保する。
(2)「As One Team」
チーム全体で隔意なくコミュニケーションを図り、PDCAを力強く回して成果に結び付ける。
に、意を注いでいただきたい。


■(株)大京代表執行役社長 山口 陽氏

昨年末に自民党政権がスタートいたしましたが、新政権の成果が目に見えて出てくるには時間を要し、政府の景気動向判断においても直近では「悪化」に下方修正されており、景気回復は依然不透明といえます。

現代はVUCAの時代といわれています。VはVolatility=不安定、UはUncertainty=不確実、CはComplexity=複雑、AはAmbiguity=曖昧、です。つまり、変化が速く、複雑で将来が見通しにくく、経験をしたことのない事態が多発しているということです。

私たち自身も、世の中の変化や、政治・経済の動向を見極めてスピーディーに対応しなければ、これからの時代を生き抜いていくのは難しいでしょう。不透明性・不確実性、リスク増に対し危機感を社員全員で共
有する必要があります。そして、このような厳しい環境下でも成長していくためのチャレンジ精神を忘れず、大京のコーポレートブランド価値の向上を図っていかなければなりません。そのため、皆さんには行動指針として次の3点をお願いします。

1点目は「仕事の質の改善」です。
建物や商品などハード面における品質、サービスや情報の正確さ、スピードといったソフト面の品質、接客レベルなど、あらゆる点において「仕事の質の改善」が必要です。仕事の質が改善・向上すれば、自ずと
収益はついてきます。また、仕事の質の改善には当然、皆さん自身が変わる必要があります。課題を見つけ仕事をイノベーションすることがこれからの時代は必要です。そのためには一人ひとりが自立し、自ら課題を発見し、解決策を考える。そういう集団に変わっていかなければなりません。

2点目は「グループ連携の深化」です。
これまでグループ会社間の人事異動を積極的に実施し、グループ連携は進んできていますが、課題は多く、まだまだ道半ばです。お客さまに選ばれる企業を目指す私たちは、グループの持ち得る経営資源を有機的に結び付け、グループ力を最大限に発揮させなければなりません。

3点目は「スピードアップ」です。
世の中はものすごいスピードで変化しており、仕事のやり方も変えていかねばなりません。思い切って仕事の中身を見直し、方針を決定したら、期限を決めてすぐに実行に移してください。そうすれば、皆さんの
仕事の質も変わりスピードが必ずアップするはずです。

以上の3点をしっかりと認識し、2013年は、グループ社員全員で“お客さまに選ばれる新しい「不動産サービス事業」に向けた本格的展開”を目指していきましょう。


■森ビル(株)代表取締役社長 辻 慎吾氏

2013年は、世界も日本も新たな局面を迎える。世界の主要国のリーダーが決まり、日本も新政権がスタートを切った。世界は今、新たなリーダーと枠組みのもとに、新たな一歩を踏み出そうとしている。

日本も新政権によって様々な経済対策が打たれるだろうが、本格的な日本復権には、世界、特にアジアの成長力やパワーを積極的に取り込んでいくことが不可欠だ。それには経済活動の中心であり基盤である東京を、災害に強く魅力的な都市に再生しなければならない。

森ビルの使命も存在意義も成長もそこにかかっている。国際都心にふさわしいエリアにある進行中のプロジェクトをスケジュールどおり確実に仕上げていく。さらにエリアマネジメントを積極的に推進し、エリア全体の魅力と価値を高めるとともに、新たなビジネスチャンスを発掘する。10年後には、我々の戦略エリアが「真の国際都心になる」ということが誰の目にも明らかになるだろう。

今年は、森ビルが森ビルらしく振る舞い、かつ、勝ち抜くためのレールを敷き、皆でスタートダッシュする年だ。

「森ビルは、ますます森ビルになる」世界のオンリーワンを目指して、進むべき道ははっきりと見えている。あとは皆で走り抜くだけだ。


■三井不動産リアルティ(株)代表取締役社長 竹井英久氏

新年おめでとうございます。

昨年を振り返りますと、年初は復興需要等を背景に回復の動きが見られたものの、欧州金融問題や円高の長期化などから景気の低迷感が強いまま推移しましたが、12月の衆院選で政権交代が実現し、今年は、経済対策を最優先事項に掲げた新政権による力強いリーダーシップのもと成長戦略が推進され日本経済が活性化することを期待しています。

当社は、昨春、リハウス事業子会社5社と合併して社名も「三井不動産販売」から「三井不動産リアルティ」に変更し、不動産仲介事業と駐車場事業を自ら行う営業会社に生まれ変わりました。そして、いよいよ4月には「三井不動産リアルティ」として採用した約200人の新入社員を迎えることになり、今年は本当の意味で新しい会社としてスタートする「元年」になります。新しい会社の礎をしっかり固めるために、「巳年」の今年は昨年以上に「実のある年」にしていきたいと考えています。

当社のようなフィービジネスの会社は、売上や利益の数字だけで会社の実態・実力を測れるものでありません。数字で表現できない、お客様からの信頼感の集大成としてのブランド力と、それに支えられた潜在的顧客基盤が会社の実力を示すものであります。お客様の安心・安全で納得できる取引への期待感にお応えするために、お客様の声をしっかりと伺い、日々のサービスに速やかに生かせる組織の柔軟性や営業社員の主体性、そして一層の取引精度向上などが求められています。

ストックビジネスの時代と言われ既存住宅流通市場活性化のための環境整備が進められていますが、待ちの姿勢ではなく、積極的に役職員全員が時代の変化へ順応できる体作りに励み、攻めの姿勢で時代の風に乗っていきたいと考えています。


■東京建物不動産販売(株)代表取締役社長 倉重喜芳氏

本年も、昨年に引き続きCRE案件の獲得に注力する。

昨年提携したハリファックス・アソシエイツのネットワークを生かした海外進出を検討する企業へのアプローチや、社宅管理代行を切り口として、不動産サービスの提供を積極的に行なっていきたい。

すでにニーズは出てきており、本年は本格的にその成果が出る年と考えている。東京建物グループ各社とも連携し、当社のみならずグループ全体の躍進とさらなる収益機会の創出を目指し、全力を尽くす。


■大和ハウス工業(株)代表取締役社長 大野直竹氏

昨年は、社会保障を含めた財政問題やデフレの長期化、エネルギー問題など、わが国が抱える諸課題が顕在化した一年でした。本年はこれまで以上に日本のあり方が問われ、こうした課題を克服するための諸施策が大きく打ち出されることが予想されます。その中には消費税増税前の需要増やエネルギーコストの上昇など我々の事業に直結するものも含まれますので、しっかりと先の先を読み、早めに手を打つ必要があります。
新しい年を迎えるにあたり、皆さんにお願いしたいことが3つあります。

一つ目は「何を目標にするか」ということです。今年は売上高2兆円という目標達成はもちろん、次の目標に向かうための重要な年になると考えています。また、その目標をどう越えるのか、目標の「越え方」も重要となります。次の節目である3兆円、さらに上を目指すべく、夢に向かって弾みがつくような通過点となるよう、高い目標を立て、内外に自分の決意を示し、大きな挑戦をして頂きたいと思います。

そのために当社グループは、国内でもまだまだ伸ばせるエリアや余地がありますので、“川上から川下まで”全ての事業を展開するとともに、各事業でシェアNO.1に向けて更なる挑戦が必要です。さらに、グローバル展開や新規事業の育成にも注力していきたいと思います。
こうした挑戦により、それぞれが目標を力強く「越」える一年になるよう願っています。

二つ目は、自分の頭で考えるクセをつけて欲しいということです。これまでの常識やマニュアルにとらわれない創意工夫がなければ、世の中の変化のスピードに対処しきれません。またIT の普及で便利な世の中になっていますが、利便性に埋没しないで人と人との関係を大切にしてください。

三つ目に「大企業病」の撲滅です。会議に時間がかかる、無駄な経費が増えている、意思決定のスピードが遅いといった兆候はすべて大企業病にあてはまります。今こそ、本来の業務に邁進し、ピーンと張り詰めた緊張感が持続するよう努めてください。

激動の一年が始まります。健康に留意し、大きな目標に向かって共に努力しましょう。


■旭化成ホームズ(株)代表取締役社長 平居正仁氏

昨年は、規模は縮小したものの継続した住宅取得支援策や史上最低水準にあるローン金利の後押しなどにより、住宅市場は若干の回復を見ました。また、消費税増税の政策決定も、住宅取得を検討する皆さまの背中を押したのではないかと思います。現時点では、新たな政府の税制における住宅の取り扱いや住宅取得支援策の具体的内容が見えないため、本年度の市場の予測は非常に難しい状況です。

少子高齢化が進む我が国ですが、団塊世代を中心とした高齢化の加速はこれからが本番となります。日本はこれから社会構造の変化に合わせて、住まいやまちも大きく変えていかねばなりません。その為にも人々が住宅に関する夢を持ち続けられる状態を維持する事が大切だと思います。高額な税負担を伴うことにより、住宅取得を断念してしまう人が増えることを最も危惧しております。

当社では、常に社会の変化とお客様の住まい方の変化を見つめることで、二世帯住宅や3階建て住宅など時代を反映した住まいを提供して参りました。今、大きく社会環境や経済環境が変わりつつあるなか、昨年は新たな家族の住まい方を提案する「2.5世帯住宅」や子育て共感賃貸住宅「へーベルメゾン 母力」という緩やかなコミュニティの形成をテーマとした賃貸住宅を提案するなど、積極的な取り組みを展開いたしました。

また、住まいの省エネ・創エネに対する関心の高まりを受け、先進の環境設備を装備した住宅も発売いたしました。本年も「一人でも多くのお客様に、一日でも早く快適な生活をお届けする」ことを目指し、お客様に住まいに対する夢と希望を抱いて頂けるような、次世代へと繋がる価値の高い住まいを提供することに全力を尽くして参ります。


■三井ホーム(株)代表取締役社長 生江隆之氏

平成25年の年頭にあたり、謹んでご挨拶を申し上げます。

昨年のわが国経済は、年半ばくらいまでは、東日本大震災の復興需要やエコカー補助金等の各種政策効果により、緩やかな回復の動きがみられましたが、海外経済の減速や為替動向などの景気下押し要因に加え、政治の停滞で、終始先行き不透明な状況が続いた1年でした。住宅業界においては、復興需要や低金利が需要の後押しとなり、新設住宅着工戸数は堅調に推移しましたが、本格的な需要回復には至りませんでした。

このような事業環境の中、昨年当社グループは、中長期経営計画「木造イノベーション2017」を4月に発表し、初年度のスタートを切りました。

コア事業である注文住宅においては、東日本大震災以降の住宅への安全・安心に対する意識や、省エネ・創エネ・蓄エネに対するニーズの高まりに対し、「木の家・ツーバイフォー工法」の優れた環境性能をベースに、さまざまなスマート思想を組み合わせた、「スマー2×4(ツーバイフォー)」の提案を推進し、「フィルコート」、「グリーンズII」、「ツインファミリー トロワ」など、例年にない多数の新商品を発売いたしました。さらに、今後の「次世代スマート2×4」の商品化、ならびにリフォームに繋げるべく、最新の環境・エネルギー技術を結集した実証実験住宅「ミディアス」を、千葉県・柏の葉キャンパスエリアに9月に完成させ、研究開発活動もスタートしました。

組織戦を徹底してきた注文住宅事業の受注においては、昨年5月以降、対前年比連続プラスで推移しており、確かな手応えを感じられる状況に変わってきました。今年はより一層、デザインと性能にこだわった「暮らし継がれる家」のご提供に注力してまいります。

また、成長戦略のひとつの柱と位置づける施設系建築事業「ウィズウッド」においては、環境に優しく低コスト・短工期、税法上のメリットなどを効果的に訴求して受注拡大を図ります。もうひとつの柱、リフォーム事業においては、昨年に多数採用したリフォームアドバイザーの戦力化に向けた教育に注力することや、「オーナーズデスク」を通じて、20万件を超えるオーナー様とのリレーションを一層強化していきます。

今後益々、我々を取巻く社会経済環境は、少子高齢化や世帯数の減少などもあり、厳しく変化していくと思われます。そうした中でも、外部要因を言い訳にすることなく、中長期経営計画の達成を見据え、来年に迎える創立40周年の中間年度をまずは輝かしい年とするべく、グループ全員で力を結集して新しい年にチャレンジしてまいります。

皆さまのご指導、ご鞭撻をよろしくお願い申し上げます。


■ポラスグループ代表 中内 晃次郎氏

2013年の新年を迎え、心よりお祝い申し上げます。本年は新たな政権が発足したばかりということもあり、様々な点について不透明な状況です。このようなときには基本に立ち返り、グループ一丸経営を推し進め、環境の変化に対応し、スピードとコストを重視した販売戦略の強化や部門横断業務への迅速な対応が可能な、機動力経営を徹底する必要があります。

住宅事業では自社の強みを更に伸ばして他社との差別化を図り、顧客サービス機能を更に強化推進します。そして事業エリアの選択と集中を行い、ナンバーワンエリアを次々と創出させるとともに、事業領域の拡大と成長戦略を展開する施策を実行します。

また、本年は静岡県と宮城県に木材プレカット工場が完成し稼働します。これは昨年設立したそれぞれの地域子会社を通じて運営されます。このことにより地域性を取り込み、スピーディーな経営の意思決定を行い、地域の雇用や活性化のお手伝いができるものと考えております。これらの活動を含め当社では、従業員一人一人が本業を通じてプロとして果敢に業務に取り組み、ひいては日本全体の景気浮揚の一助となれるよう取り組んで参る所存です。


■トヨタホーム(株)取締役社長 森岡仙太氏

今年、トヨタホームは“スマートハウス飛躍の年”と位置付け、昨年にも増してスマートハウスの普及に取り組む所存です。

2012年はマートハウス専用商品の「シンセ・アスイエ」と「シンセ・フィーラス」を中心にスマートハウスの浸透を図りました。省エネルギーや安全・安心への意識が高まる中、トヨタグループのオリジナル技術を結集した商品を展開し、おかげさまで多くのお客様に受け入れていただくことができました。

2013年は引き続きスマートハウスを訴求し、住宅市場におけるスマートハウスのリーディングカンパニーとしての地位を確固たるものにする考えでおります。住宅はゼロエネルギーへの動きが加速し、トヨタホームとしても新技術の開発は急務であります。

「家・クルマ・情報」の連携をより進化させたスマートハウスを提供し、お客様のご要望にお応えする考えです。また住宅市場のニーズが変わっていることを踏まえ、少子高齢化に対応した在宅介護しやすい家や共働き世帯向けの住宅を提供したいと考えております。東北地方の震災復興にも引き続き、協力していく所存です。

さらに国内の世帯数が近くピークを迎えることから、当社としても新築着工件数の減少に対応し、事業の多角化が課題となっております。このため海外で事業展開を図り、国内ではサービス付高齢者向け住宅に取り組みます。

足元の景気は一部に回復への兆しが見えてきたものの、依然として厳しい状況が続いており、内需の柱として住宅産業の期待は高まるばかりです。政府へは住宅購入の環境整備へ向け、特段の配慮を期待しております。

トヨタホームは最新の技術を取り込んだ先進の住まいを提供してまいりましたが、高齢化社会の時代ではこれまで以上に安全・安心・健康・快適が求められると考えております。技術とサービスで社会の要請に応えつつ、引き続きお客様に喜ばれる住宅を提供していく所存です。


■パーク24(株)代表取締役社長 西川光一氏

謹んで新年のご挨拶を申し上げます。

昨年を振り返りますと、東日本大震災の復興事業の本格化や自動車の需要刺激策などの効果もあり、景気は緩やかに持ち直しつつあったものの、欧州債務危機の再燃や長引く円高などにより、日本経済は停滞感が強まっています。そのなかで、当駐車場業界においては、着実な需要の取り込みにより駐車場の供給台数を伸ばし、成長を続けております。

中期経営計画初年度にあたる2012年の当社グループは、駐車場事業、モビリティ事業、両事業における積極的な事業推進が奏功し、目標として掲げている経常利益平均成長率24%を、12ポイント上回る、好調な滑り出しとなりました。

さらに、タイムズネットワークの拡大により、当社グループサービスの利用でポイントが貯まる「タイムズクラブ」は会員数410万人を突破し、カーシェアリングサービス「タイムズプラス」においては本格展開から3年半で会員数15万人を超えました。

中期経営計画2年目となる2013年は、「更なる飛躍のための変化の年」と位置付け、「タイムズ」を、“駐車場ブランド”から“交通インフラサービスブランド”へ成長させてまいります。

具体的には、本年4月1日に、グループのサービスブランドを、「タイムズ」に統一し、モビリティ事業における“クルマを貸し出すサービス”は、「タイムズカー」に変更します。

レンタカーサービスは「タイムズ カー レンタル」、カーシェアリングサービスは「タイムズ カー プラス」をそれぞれ称し、同時に、「タイムズクラブ」において、駐車場サービスとモビリティサービス、両サービスの相互利用を可能にすることで、モビリティサービスが当社グループサービスであることを浸透させてまいります。

昨年は、クルマ業界に携わる企業として、安心・安全について考えさせられる年でもありました。

パーク24グループは、引き続き、ドライバーの皆さまに安心・安全を提供し、快適なクルマ社会の実現に取り組んでまいります。

本年も皆様の一層のご指導、ご鞭撻を賜りますよう、お願い申し上げます。

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