東京不動産業健康保険組合は5日、組合会を開き、平成24年度決算報告を行なった。また、役員改選に伴い、荒井喜八郎氏((株)荒井商店取締役会長)を理事長に再任した。
同年度は、全国展開も含めた優良事業所の加入促進、被保険者の増加、景気回復による平均標準報酬月額(35万5,000円→35万9,807円)賞与支給月数の増加(1.5ヵ月→1.89ヵ月/人)で、保険料収入396億6,000万円(前年度比3.5%増)を確保。事業の見直しや医療費適正化対策等で支出の削減を行ない、収支差額35億6,000万円を確保。経常収支も9,400万円と、2年連続の黒字となった。
期末の被保険者数は、9万6,266人(前年度末比5,913人増)、2013年5月末時点での被保険者数は10万477人と10万人を突破している。全国展開が2年目に入り、23年度比1.3倍となる128社・5,565名を編入した。
組合会後の懇親会で挨拶した荒井理事長は「被保険者数が10万人を超え、業務効率化など経費節減に努めた結果、黒字を保つことができた。必要なサービスは維持しながら、都内の86組合中11番目に低い料率で運営できている」と語る一方、「医療費のおよそ半分に掛かる消費税率が引き上げられると、患者に転嫁されることとなり、当組合も10億円単位の負担増となる」と、先行きに懸念を示した。