不動産ニュース / 政策・制度

2013/12/3

空き家所有者の7割が「無策」も、半数は賃貸の意志/国交省調査

 国土交通省は2日、「個人住宅の賃貸流通の促進に関する検討会」(座長:犬塚 浩京橋法律事務所弁護士)の3回目会合を開いた。

 同研究会は、既存の住宅ストックを活用した賃貸流通市場の整備を目的に、利用可能な空き家を含め個人住宅の賃貸流通を促進する上での課題分析、ガイドライン策定に必要な方策の検討を行なっている。

 今回は、空き家活用の事例研究として、京都市の「地域連携型空き家流通促進事業」と和歌山県の「移住推進空き家活用事業」が紹介された。いずれも、行政が中心となり、空き家情報の収集と活用条件の検討、賃借希望者とのマッチングを図ることで、地域の活性化を目指している。ただ、空き家の実態把握が進んでいないこと、一般的な賃貸住宅と違い、修繕・原状回復、近隣とのトラブル防止に係る特約条項が多く借りづらいなどの制約も散見され、実効性のある制度とはいえなかった。

 また、空き家所有者、空き家利用意向者の実態を把握することを目的としたアンケート結果が発表された。空き家所有者は「現在の住まい意外に個人用住宅を所有し、それが空き家となっている人」で2,187人をサンプル抽出。空き家利用意向者は、「住替えを予定または検討し、賃貸物件希望している人」2,207人を抽出し、本調査を行なった。

 空き家所有者へのアンケートでは「空き家の82%が戸建て住宅」「44%が親所有の住まいを相続」「46%が築30年以上」といった傾向が出た。また、空き家の現状は71%が「特に何もしていない」とし、不動産事業者に相談する、あるいは借主を募集している人(合計14.2%)を大きく上回った。ただ、何もしていない人に賃貸意向を聞くと、約47%が賃貸してもいいという意向があった。

 一方、空き家利用意向者へのアンケートでは、約8割が「個人用住宅を借りたい、借りてもいい」と回答。約半数が「入居後に借主負担である程度の修繕を行なう」「借主負担で好みの修繕を行なう」など修繕費用負担をしてもいいと回答した。

 次回は、来年1月30日に開催する。

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編集部レポート「官民連携で進む 空き家対策Ⅳ 特措法改正でどう変わる」では、2023年12月施行の「空家等対策の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律」を国土交通省担当者が解説。

あわせて、二人三脚で空き家対策に取り組む各地の団体と自治体を取材しました。「滋賀県東近江市」「和歌山県橋本市」「新潟県三条市」「東京都調布市」が登場します!空き家の軒数も異なり、取り組みもさまざま。ぜひ、最新の取り組み事例をご覧ください。