不動産ニュース / 開発・分譲

2016/6/10

複々線化17年度に完成。50億円の増収効果見込む/小田急電鉄

「下北沢」駅下で進められている複々線化工事(線路とトンネル)
「下北沢」駅下で進められている複々線化工事(線路とトンネル)
線路の地下化により、“開かずの扉”だった踏み切りは解消され(写真手前の左右の道路)、線路跡地は東京都により駅前広場に整備される予定(奥に見える高架に走行しているのは京王井の頭線)
線路の地下化により、“開かずの扉”だった踏み切りは解消され(写真手前の左右の道路)、線路跡地は東京都により駅前広場に整備される予定(奥に見える高架に走行しているのは京王井の頭線)
「下北沢」駅者完成イメージ(東口側)。自然光や外気を効果的に取り入れるつくりとするほか、太陽光パネル、地中熱ヒートポンプを導入し、環境に配慮する
「下北沢」駅者完成イメージ(東口側)。自然光や外気を効果的に取り入れるつくりとするほか、太陽光パネル、地中熱ヒートポンプを導入し、環境に配慮する
現在建設中の「下北沢」駅舎外観(南西口側)。屋根の取り付けが完了している状態
現在建設中の「下北沢」駅舎外観(南西口側)。屋根の取り付けが完了している状態

 小田急電鉄(株)は9日、同社が進める小田急線の複々線化工事の進捗状況が事業費ベースで約9割まで進んでいることを発表。「和泉多摩川」~「東北沢」駅間(10.4km)で進めてきた同事業の最終工事エリアにある「下北沢」駅周辺の工事現場を公開した。

 海老名、大和、相模大野、町田といった郊外エリアの乗降客数が他私鉄と比較してもトップクラスである小田急線は、長年、通勤・通学ピークタイムにおける混雑や遅延の問題を抱えていた。そこで「和泉多摩川」~「東北沢」駅間で2線路(上り1線・下り1線)から4線路(上り2線・下り2線)に増やす「複々線化事業」を計画。同駅間を狛江地区、世田谷地区、下北沢地区に分け、1964年の都市計画決定以降、事業を進めてきた。総事業費は約3,100億円。

 狛江・世田谷地区(8.8km)はすでに高架式による工事を完了。最終工事地区である下北沢地区(1.6km)は、地下式で進めており、在来線の地下化、トンネル構築作業、駅舎の新築などを進めている。

 なお、複々線化事業は東京都が進める連続立体交差事業と一体的に進めており、13年3月までに「和泉多摩川」~「東北沢」駅間の39ヵ所の踏み切りを廃止。駅前広場の整備も進めている。

 複々線の全体完成(ダイヤ改正)は2017年度で、事業完了は18年度を予定。完成後はピーク時間帯の運行本数を1時間当たり27本から36本に増発し、混雑率を191%(15年)から160%に改善する。所要時間も5~10分程度の短縮を図る。
 利便性向上による沿線への人口流入などで20年度時点で50億円程度の増収を見込んでいる。同社は「すでに完成した区間では乗降人員が全線平均を上回る伸びを示している。広域からの転居など50億円プラスアルファの効果に期待したい」とした。

 今後は、下北沢地区の線路跡地活用の計画を進める。低層(2~3階建て)の住宅や商業施設開発などを予定。まちの賑わいや回遊性、子育て世代が住める環境整備などをテーマに進めていく。

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