不動産ニュース / 仲介・管理

2017/1/23

都心高級賃貸専門の新会社設立/エイブル&パートナーズ

新会社の社長を務める筒井氏
新会社の社長を務める筒井氏

 (株)エイブル&パートナーズは23日、都心部の高級賃貸住宅を専門的に取り扱う賃貸仲介会社として(株)オアシス(東京都港区)を新設。同社代表取締役に就任した筒井敏孝氏(エイブル&パートナーズ最高顧問)が、本社のインタビューに応じた。

 新会社は、東京都心部の高級賃貸物件の仲介に特化する。筒井氏は、「エイブルは今年創業49年を迎えるが、これまでは学生をはじめとしたシングルや若年のカップルをコアターゲットとして展開してきた。現在25万物件を抱える管理物件も、そうした入居者層を対象としたものだ。今回、安全・安心・豊かな住生活の提供という観点で、事業領域を広げるためのチャレンジとなる」と新会社の設立意図を説明する。

 取扱物件は都心部、特に港区、中央区、千代田区、渋谷区に所在する賃料20万円以上の物件。賃料の平均水準は約35万円程度とみる。これまでは取り扱っていなかった大手不動産などが開発した高級賃貸住宅に特化することで、兄弟会社となる(株)エイブルとの競合を避ける。「これまでエイブルが取り逃していた高額層のユーザーをグループ内で取り込めるようになるなど、相乗効果を見込んでいる」(筒井氏)。

 顧客への物件案内には、営業車ではなくタクシー利用を徹底し、高級賃貸を求める富裕層顧客の細かな要望まで聞き入れる。「運転しながらお客さまと会話すると、運転にもヒアリングにも散漫になる。ならば、タクシーを使ってじっくりとお客さまとの会話に集中できる」(同氏)。

 また、仲介だけにとどまらず、入居後のケアをしっかり行なっていく方針。家具や家電等インテリアのアドバイスに加えて、ハウスクリーニングの手配や財務コンサルティング等、不動産需要にとどまらない複合的なサービスを提供していく。「顧客には資産家層も多いだろう。そうしたお客さまへのサービスを充実させるため、エイブル&パートナーズの持つビジネスリソースを最大限発揮していく」(同氏)。当面は賃貸仲介のノウハウを蓄積し、数年後には高級賃貸物件の管理受託への参入も目指す。また、資産家層を対象とすることで、付随業務として、同社グループでは行なっていなかった売買仲介を手掛けることも視野に入れている。

 当初は社員7人で展開、同社ホームページには500件の物件を掲載する。エイブルが得意とする顧客層とはアプローチの仕方が異なるとして、人材はすべて独自にリクルーティングした。給与体系についても、歩合ではなく年俸制とした。「最初は種まき。当面はむやみに成約件数を追い求めることなく、ノウハウを蓄積する。仲介会社として入居者・貸し主双方をケアしていくことで、お客さまの満足度を高めていきたい」(同氏)。

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