不動産ニュース / 開発・分譲

2017/1/24

東京・学芸大学に、睡眠と認知の研究成果導入した有料老人ホーム/住友林業グループ

「グランフォレスト 学芸大学」外観
「グランフォレスト 学芸大学」外観
各居室には、照明からのブルーライトを吸収する木の内装が採用されている。ベッドセンサー、人感センサーなど「ICT 見守りシステム」も導入されている
各居室には、照明からのブルーライトを吸収する木の内装が採用されている。ベッドセンサー、人感センサーなど「ICT 見守りシステム」も導入されている
高齢者の認知機能の改善が期待できる「花笑み(はなえみ)の庭」。外に出やすい動線で、植栽の種類や配置も工夫した
高齢者の認知機能の改善が期待できる「花笑み(はなえみ)の庭」。外に出やすい動線で、植栽の種類や配置も工夫した
エントランスのベンチと格子。住友林業(株)の北海道の社有林を使用した
エントランスのベンチと格子。住友林業(株)の北海道の社有林を使用した

 住友林業(株)は24日、グループ会社(株)フィルケアが運営する、2月1日開設の有料老人ホーム「グランフォレスト 学芸大学」(東京都目黒区、居室数64部屋)を、報道陣に公開した(関連ニュースはこちら)。

 「グランフォレスト」シリーズ12施設目となる同施設は、東急東横線「学芸大学」駅徒歩8分に立地。敷地面積2,008.97平方メートル、延床面積2,832.37平方メートルの木造3階建て。オリジナルのBF構法を活用した木造大規模建築で、壁の少ない広々とした空間に仕上げている。

 新しい試みとして、同社筑波研究所の研究成果を反映させ、「睡眠の質を向上する室内空間」と「認知機能の改善を意識した庭」を取り入れているのが特徴。

 各居室は、眠りにつきやすい空間にするため、照明からのブルーライトを吸収する木の内装を採用。照明は睡眠30分前から徐々に暗くなる「おやすみタイマー」と、起床30分前から徐々に明るくなる「お目覚めタイマー」を装備した。
 また、シリーズ2施設目となる「ICT 見守りシステム」も導入。複数のベッドセンサー、人感センサーによる情報と、室内温湿度などの環境計測データを合わせて収集分析。介護者が情報をパソコンやタブレットで確認することで、入居者の様子を見守ることができる。
 また、データが蓄積され、グラフ化もされるため、各入居者の生活の様子が分かり、一人ひとりに合わせた介護を提供することができるという。

 外構は、同研究所と連携し、高齢者にも使いやすい「花笑み(はなえみ)の庭」を開発。1階のレストランとつなげて、車いすの人でも気軽に外に出やすい動線にし、植栽の種類や配置も考慮した。高齢者の認知機能の改善を目指して、コミュニケーションが図りやすい設えにしている。

 基本プラン(65~69歳の場合)で、前払金は2,814万円、月額利用料は約29万1,680円。

 24日の見学会で、フィルケア代表取締役社長の中澤俊勝氏は、「ICTの導入は介護職員を減らすためではなく、入居者の生活のリズムを知ることで、より効果的に介護ができるように活用していく。検証して他の施設にもフィードバックしていきたい」と話した。入居状況は、現在12件の申し込みがあるという。また、今後の展開について「2019年3月期までに介護付有料老人ホームを20施設、1,000室を超える規模まで拡大を目指していきたい」と述べた。

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