シービーアールイー(株)(CBRE)は9日、東京、大阪、名古屋における、2016年第4四半期の路面店舗の市場動向を発表した。
東京(銀座、表参道・原宿、新宿、渋谷)のプライム店舗賃料(想定成約賃料、共益費込み)は、坪当たり40万円と6期連続の横ばいに。銀座では、複数階や比較的面積が大きい物件を中心に、テナント退出後の後継テナントの決定に時間がかかっている。表参道・原宿では、情報発信地というエリア特性に注目するテナントの需要が集まり、日本初や旗艦店の出店が引き続き多くみられる。新宿では、比較的面積が大きい物件のリーシングが順調に進み、渋谷では、ブランドの認知度向上を考えるテナントの間で、「渋谷」駅周辺の立地評価がさらに高まっている。
同社は、「リテーラーは、収益の見通しについてより慎重になっているため、需要はあるものの、エリア、面積、賃料などすべての希望条件に合わなければ出店に至らないケースもみられる。オーナー側は、内装費用などの初期投資を負担したり、受け入れ業種の幅を広げる必要がありそう」とコメントしている。
大阪(心斎橋・梅田)は、2期連続で横ばいの坪当たり30万円。心斎橋では、心斎橋筋商店街や道頓堀周辺を中心にドラッグストア同士が競合する事例がみられた。梅田では、好立地の新築物件にテナントの需要が集まった一方、駅から少し離れたエリアでは、リーシングに苦戦する事例もみられた。
名古屋(栄)は坪当たり12万円で、9期連続の横ばい。栄のハイストリートでは、ドラッグストア同志が競合し賃料が競り上がってテナントが決定した事例があった。栄エリアには既存のドラッグストアがまだ少なく、近隣オフィスワーカーや国内消費者を対象とした出店需要が集まっている。