不動産ニュース / 調査・統計データ

2017/5/10

都心駅近M、等価交換での開発が明らかに

 (株)東京カンテイは9日、2007~16年の新築分譲時に販売対象外となった非分譲住戸の分析結果を発表した。

 東京都で新規分譲された総住戸数34万9,814戸のうち、非分譲住戸は1万5,650戸。そのうち最寄り駅から3分以内の非分譲住戸は6,699戸(非分譲住戸率8.8%)と最も多かった。次いで4~6分が5,261戸(4.8%)となり、全非分譲住戸数の76.4%に相当する住戸が最寄り駅から徒歩6分圏内に集中していることが分かった。

 また、東京23区のみの非分譲住戸数1万4,086戸を行政区ごとに見ると、港区が1,666戸と最も多く、1物件当たりの非分譲住戸数も28.7戸と大きかった。複合型再開発のエリアでは、多くの非分譲住戸が発生しており、価格高騰期では地価が高い港区など都心エリアで事業を行なうことの難しさが表れる結果となった。

 23区内でも都心エリアの方が1物件当たりの非分譲住戸が多い傾向にあり、ディベロッパーが需要のある都心の駅近マンションを分譲しようとした結果、等価交換事業等で開発を進めたことがうかがえた。特に駅から徒歩3分の範囲において非分譲住戸比率が一番高いことは、駅前の商業ビルの建て替えや個人商店の等価交換等が積極的に行なわれた結果と思われる。

 非分譲住戸の比率を物件の所在階別に分類すると、15~19階に8.3%、20~29階に8.5%と、比較的中層階に多く存在することが分かった。5階未満の低層階住戸では3.1%、40階以上の超高層階には4.9%と比較的比率は小さく、投資価値が高く投資家から狙い目物件として人気が高くなるタワー物件の低層階や高額物件化する上層階には非分譲住戸を設けないことが多いと推察される。また、地権者が供出した土地と等価の住戸が提供されることを考えると、高額となっている超高層階の住戸が地権者向けに提供されるケースは多くないと見られる。

記事のキーワード 一覧

この記事の用語

等価交換方式

土地の上にマンションなどの建物をディベロッパーが建設し、土地と建物の評価額に応じて双方が土地と建物を取得する方法をいう。地主は自己資金を必要とせず、土地の一部を提供することにより、等価の建物の一部を取得することになるのが特長。

続きはR.E.wordsへ

動画でチラ見!

第18回 ジバコー 「原点」を語る

ニュースはこちら

新着ムック本のご紹介

ハザードマップ活用 基礎知識

不動産会社が知っておくべき ハザードマップ活用 基礎知識
お客さまへの「安心」「安全」の提供に役立てよう! 900円+税(送料サービス)

2020年8月28日の宅建業法改正に合わせ情報を追加
ご購入はこちら
NEW

月刊不動産流通

月刊不動産流通 月刊誌 2025年5月号
「事故物件」、流通の課題は?
ご購入はこちら

ピックアップ書籍

ムックハザードマップ活用 基礎知識

自然災害に備え、いま必読の一冊!

価格: 990円(税込み・送料サービス)

お知らせ

2025/4/21

「記者の目」を更新しました

有事に立ち向かうエリアマネジメント」を公開しました。

エリアの価値向上に大きく寄与する複合開発。住宅や商業施設、公共施設、教育施設や図書館、クリニックなどが一体的に整備されることで、再開発されたエリア内で日常生活が完結できるような、利便性の高い生活環境が整うケースもありますが、その規模感の大きさから有事の際に全体が連携できるのかといった懸念も…。今回は、オフィスビル・賃貸マンション・分譲マンションの3棟からなる複合開発「MEGURO MARC」を取材。防災対策の本音を調査しました。