不動産ニュース / その他

2017/5/17

空き地等新たな活用検討会、とりまとめ案

 国土交通省は17日、第4回「空き地等の新たな活用に関する検討会」(座長:早稲田大学大学院法務研究科教授・山野目 章夫氏)を開催した。

 今回の会合では、NPO法人タウンサポート鎌倉今泉台理事長の丸尾恒雄氏が、空き地を利用したコミュニティサロン・菜園の運営や、遊休駐車場の活用などの取り組みについて発表。その後、事務局が検討会とりまとめ案を提示した。

 空き地対策の今後の方向性については、空き地を有効に利用することにより、人口減少社会においても住環境の維持・向上を実現し、併せて地方創生につなげるチャンスが生じているとも考えられるとし、各地で積極的な取り組みの推進が必要と示した。空き地の有効利用に向けては、その情報を集約し「見える化」するなど、取引の障害を除去することが重要と言及。市場ニーズが当面見込まれない場合には、地域の合意形成のもと、行政とも連携しつつ、地域のコモンズなどとして管理・活用されるようにすることが重要とした。

 また、将来、活用のあてがない場合でも、暫定利用や土地の集約、賃貸借等を活用し、新たな土地需要を創出する必要があることを強調。さらに、所有者における土地の適正な管理に関する責務の明確化について議論を深め、土地が適正に管理されない場合の対応について枠組みの整理が必要であるとした。

 当面の対策として、地域によって状況は多様であることから、一斉に対策を講じることは困難であるため、可能な地域から実施することを提案。管理水準が低下した空き家への対応としては、条例等による規制の課題を整理し、空き家法や農地法の仕組みも参考に対応の枠組みについて検討していくことの重要性を示した。

 委員からは、「暫定利用については、要件の緩和を検討すべき」「空き地の恒久利用の道が見えてくるまでの間、地域全体で価値を享受できる事例のバリエーションをどう増やしていくかが課題」「空き地の集約化については、より具体的なイメージや手法を検討していくべき」などの意見が挙がり、とりまとめの際の検討材料とする。

 第5回の会合は、6月14日に開催する予定。

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