国土交通省は10月31日、第2回「住宅団地の再生のあり方に関する検討会(第2期)」(座長:東京大学大学院工学系研究科教授・浅見泰司氏)を開催した。
同検討会(第2期)では、老朽化した住宅団地の建て替え、改修を含めた再生を進めるための施策のあり方について、近年の制度見直し内容を踏まえた再生手法の活用や戸建住宅団地の再生・魅力向上の観点も含め、幅広く検討する。
今回は、「複数棟型マンションの敷地売却制度の構築」や「再開発の枠組みを活用した団地型マンション再生ガイドライン」などについて議論。
「複数棟型マンションの敷地売却制度の構築」については、現在、敷地売却制度が主に単棟型マンションを念頭においており、複数棟型マンションの適用するための運用が不明確であったため、現行法令を前提として複数棟型マンションに敷地売却制度を適用する仕組みの構築を検討。土地を共有する全棟が耐震性不足の場合を適用対象とすること、各棟において5分の4の敷地売却決議により団地全体の敷地売却を可能とすること、同決議により全棟が買受人によって除却されるという事業スキームを掲げた。
「再開発の枠組みを活用した団地型マンション再生ガイドライン」は、市街地再開発事業の団地再生への適用の円滑化を図るために策定されるもので、まちづくりの課題解決を一体で行なう“都市機能の更新のモデルケース”を3事例挙げた。また、再開発事業の目的に沿った“土地の合理的かつ健全な高度利用の考え方”としては、場合によっては、容積上限を緩和しない事例や、法定容積に対して利用容積を抑える事例もあり、市場性が必ずしも高くない住宅団地の再生を図る場合、こうした事例を参照しつつ、地域ニーズに沿った規模の事業とすることが必要であると確認した。
委員からは「マンションの建替え等の円滑化に関する法律が適用されないケースも多くあり、その場合のガイドラインがほしい」、「郊外の団地にはいろいろなバリエーションがあるが、ひとつずつ検討していく必要がある」といった意見があった。
次回会合は、2018年3月上旬までに開催予定。議論した内容をもとに、18年3月までに中間とりまとめ、19年3月頃までに最終とりまとめを行なう予定。