東京都は、10月31日~11月14日にかけて都内で活動する各種団体からの都予算に対する小池 百合子都知事によるヒアリングを実施している。1日は、(公社)東京都宅地建物取引業協会と(公社)全日本不動産協会東京都本部等から要望を聞き取った。
都宅協・全日東京ともに「空き家の有効活用および既存住宅の流通促進」「木造密集地域解消と改善策に対する支援」「無電柱化推進策への支援」について要望。空き家対策に関しては、都内に82万戸存在する空き家の有効活用や流通促進について国土交通省のガイドラインを参考とした東京都におけるルールの早期策定のほか、各区市町村への予算措置、空き家の所有者情報の提供などを求めた。「除却して更地になると固定資産税負担が大きくなるので、持ち主が積極的に除却しない側面もある。また、更地にしただけでなく、どうやって使っていくか、区市町村と連携してもらいたい」(都宅協)、「地方と東京の空き家は性質が違う。不動産業界だけでは対策が難しいので、広域的な対策を実施してほしい」(全日東京)。これに対して、小池知事は「現予算の枠組みでも、流通活性化については対策を図っている。今後も市区町村や業界団体と連携して進めていきたい」などと話した。
木密地域の解消については、かねてより都が進めている課題ではあるものの、「なかなか進んでいない」(全日東京)実態があるとして、予算措置拡充や各区の執行体制強化、都と区の連携強化などを求めた。小池知事も「セーフシティの実現のために木密地域対策は急ぎ進めなくてはならない課題」との認識を示し、両団体に協力を求めた。
無電柱化の推進についても、財源の問題などで区市町村や狭隘道路の対策が進んでいないことを指摘。区市町村に対する予算措置や新技術開発支援などを要望している。
このほか全日東京では、インスペクション補助制度の創設や違法民泊対策の強化等を要望に盛り込んだ。民泊では、都心部において管理規約に反した民泊サービスが散見されるので、対策を強化することで、民泊サービスの適正化推進を求める。