国土交通省は26日、社会資本整備審議会「都市計画基本問題小委員会都市施設ワーキンググループ」による、今後の都市施設の整備等における基本的な考え方をとりまとめた。
今年9月、同ワーキンググループを設置。計3回にわたり、社会経済情勢の変化に伴い顕在化してきた、駐車場の附置義務制度に係る課題や長期未着手の都市計画道路の課題などについて調査・検討し、とりまとめたもの。
まちづくりと連携した駐車場施策の推進では、駐車場が抱える問題として、駐車需要や地方公共団体が策定するまちづくり計画等と整合していない地域がみられるようになってきていること、大都市部の附置義務駐車場では需要を超える駐車場が整備されてしまう場合もみられることなどを提示。その課題解決に向け、地域の駐車需要を踏まえた附置義務駐車場の整備、まちづくり計画等を踏まえた駐車場の配置、駐車場の整備・活用プロセスの一体的推進、地域の状況に応じた駐車場の整備・活用等の基本的な考え方を示した。
機械式駐車装置における事故発生状況については、2007年度以降、利用者等の死亡・重傷に至った重大事故は少なくとも36件発生。重大事故発生場所は、マンション駐車場が56%、月極駐車場が17%で、利用者自ら操作する使用形態が多いことが分かった。
製造・設置時の安全確保上の課題として、現行の大臣認定制度はマンション駐車場等は対象外であること、JIS規格を満たす駐車装置の製造・設置は任意であることを提示。また、設置後の点検等による安全確保上の課題について、点検の実施は駐車場法に特段の規定がないことを挙げた。
その解決策として、製造者、設置者、管理者に対してJIS規格を満たす駐車装置の製造、設置を促すことを提示。標準的な点検項目とそれぞれの点検項目に対して改修の必要性等の有無を判断できる判断基準を策定し、策定した点検項目と判断基準の周知徹底を図ることなどを具体的な施策として示した。また、追加的な費用負担を要しても、安全確保に係る取り組みは必要であることの周知・啓発活動を継続的に行なうことも加えている。
とりまとめ資料、過去の会議資料等については、同省ホームページを参照。