東急不動産(株)は、学生レジデンス事業の第1弾となる「CAMPUS VILLAGE(キャンパスヴィレッジ)椎名町」(東京都豊島区、総戸数167)を竣工。21日、報道陣に公開した。
学生レジデンス事業は、都心への学生流入や女性の大学進学率上昇、留学生の増加などを背景に、他事業とのシナジーを見込める新たな事業ドメインとして立ち上げたもの。同社が土地を取得し、物件を開発。学生マンション約4万1,000戸を管理するグループ会社の(株)学生情報センターが運営・管理しトラックレコードを積んだ上で、東急グループのREITに原則売却するという、グループ一貫のスキームを基本とする。学生情報センターはこれまで通り、土地オーナーの有効活用案件に特化した開発・運営を手掛ける。
「CAMPUS VILLAGE 椎名町」は、西武池袋線「東長崎」駅徒歩7分に立地。建設地は工場跡地で3年前に取得した。建物は、鉄筋コンクリート造6階建て。1階にカフェテリア、各階に共用のリビングキッチンを用意。エントランス、各フロア、各居室のトリプルセキュリティを採用。学生の健康維持を目的に、栄養士が献立を作成した健康に配慮した食事メニューの提供を、平日朝夕行なう。トランクルーム、防音室、宅配ロッカー、ルーフバルコニー等も設けた。学生情報センターが中心となって、ウェルカムパーティやサッカー観戦会などのイベントを運営し、学生のコミュニティを形成していく。
居室は、シャワー付き、バストイレ一体、バストイレ別の3タイプで、専有面積11~12平方メートル。収納付ベッドや机、椅子、家具、カーテン、エアコンを備え付ける。賃料は、5万5,000~7万7,000円。1年間の定期借地契約。食事は、平日は1日2食で月額1万7,000円で提供する。昨年10月末から入居者募集を行なっており、すでに7割が契約済み。男女比は1対1。
現在、東京メトロ南北線「志茂」駅圏で8階建て・232室を開発しているほか、京都市右京区でも7階建て・115室を4月に着工する。18年度は6棟の開発が決まっており、20年度の事業収益100億円を見込む。先行施設の評価を後発物件へフィードバック、大学へのフロア貸しなど運営の工夫も行なっていく。
同日会見した同社住宅事業ユニット首都圏事業本部住宅ソリューション部統括部長の恒吉毅氏は「仕入れから売却まで3年間を目安にしていく。東京圏だけでなく、京都・大阪など学生の集まる都市で、1物件100~150戸規模で開発していく」などと抱負を語った。
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